狭小住宅を10坪の土地に建てるとどんな家になる?広く見せるコツや注意点を解説
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都心部にマイホームを建てたい場合は狭小住宅がおすすめですが、土地の広さが限られるため、理想の住まいを実現するには工夫が必要です。
そもそも狭小住宅とは、一般的に15坪以下の敷地に建てられた家のことを指します。場合によっては、エリアや坪単価の問題で10坪程度の土地に建てざるを得ないこともあるでしょう。
本記事では、10坪の土地に家を建てるメリットやデメリット、建てるときのコツや注意点を解説します。
10坪の土地の広さはどれくらい?
みなさんは「10坪」が、どれくらいの広さであるか想像できるでしょうか。1坪は「畳約2畳分」ですので、10坪は【約20畳分の広さ】ということになります。
また1坪は「1間×1間(6尺×6尺)の正方形」とも表されます(1尺は約30.3cm)。つまり1坪は約3.3㎡であり、10坪は【約33㎡】です。
■10坪の土地に建てられる建物の大きさは?
建物は、敷地いっぱいに建てられるわけではありません。用途地域や建物の形状によって「建ぺい率」や「容積率」が異なるためです。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、30~80%の間で定められています。
また容積率とは敷地面積に対する建築延べ床面積の割合のことで、延床面積で計算される仕組みです。つまり10坪の土地に住宅を構える場合、建てられる建物の大きさは次の通りです。
・最大建築面積
33㎡×0.8(建ぺい率80%)=26.4㎡
・部屋の広さ(容積率100%、1階が26.4㎡の場合)
33-26.4=6.6㎡
つまり、容積率が100%の場合、2階は6.6㎡の部屋しか設けられないということです。この条件の土地で3階建ての家を建てるのは、非常に難しいでしょう。
仮に「建ぺい率50%、容積率150%の土地」であれば、10坪の土地をめいっぱい利用して3階建ての家を実現できそうです。
用途地域に関する取り決めは自治体によって異なり、定期的に見直されています。土地の購入時に、用途地域の種類や建ぺい率、容積率をチェックし、建てられる建物の正確な大きさを把握しておきましょう。
狭小住宅を10坪の土地に建てるメリット・デメリット
「10坪の住宅」と聞いて、狭くて生活しにくそうだと感じた方がいらっしゃるかもしれません。確かに設計の段階でさまざまな制約はありますが、狭小地だからこそ得られるメリットもあります。
10坪の土地に家を建てるメリットとデメリットを、それぞれ解説します。
■10坪の土地に狭小住宅を建てるメリット
狭小地は地価が安い傾向にあり、土地の形状によってはさらに安く売り出されています。10坪であれば、利便性が高い都心部の土地も購入しやすくなるでしょう。
また交通インフラが整備されたエリアの場合、車いらずで生活できるのでガソリン代や車に関連する税金がかかりません。さらに土地の大きさによっては、固定資産税や土地計画税などが安く済むのも大きな魅力です。
床面積が少ない分、月々の光熱費を抑えられるというメリットもあります。各種税金や光熱費は、家を建てて生活している限りずっと必要になるお金のため、長期的に考えると大きな節約につながるでしょう。
費用面以外では、広い家に比べて掃除しやすいというメリットが挙げられます。また家族の存在を身近に感じやすく、コミュニケーションが積極的に取れるでしょう。
■10坪の土地に狭小住宅を建てるデメリット
広い家に比べて、生活空間が狭いことは事実です。設計の段階で間取りに工夫を凝らさないと、生活しにくい家になるでしょう。
限られた土地の中で生活空間を広げるには、建物を縦に長くするほかありません。しかし階段の設置に伴い、子どもや高齢者がいる家庭では転落事故を防ぐ配慮が必要です。
また狭小住宅は、密集地に建てられるケースが大半です。隣家との距離が近くなりやすく、ペットや子どもの声が原因で騒音トラブルに発展することもあります。
建物の防音性能を高めるのが有効ですが、建築費用がそれだけ上乗せされます。さらに、費用がかかるのは設備面だけではありません。
建築予定地の近隣環境によっては、建材を運ぶ重機やトラックが入れず駐車料金や手間代が別途発生するでしょう。土地代を安く抑えられたとしても、建築費用が割高になる可能性があることをあらかじめ理解しておくことが大切です。
10坪の狭小住宅を広く見せるコツ
狭小住宅は、間取りの工夫次第で広く見せることが可能です。ポイントは「間取りを平面ではなく立体として捉え、不必要なものを省いて設計する」ということです。一体どういうことなのか、詳しく解説します。
■デッドスペースを有効活用する
デッドスペースは、設計の段階で可能な限り減らすのがベストです。しかし構造や間取りによってはどうしてもデッドスペースが発生してしまう場合があるでしょう。そのままにしておくのはもったいないので、積極的に活用してください。
例えば階段一つとっても、壁に本棚を取り付けたり、階段下の空間を掃除用具入れにしたりするアイデアが挙げられます。階段下は、ある程度の広さがあればトイレやキッズスペースを設けることも可能です。
ほかにはトイレやキッチンに、備品や食材のストックを収納するための床下収納を設置するという方法もあります。活用できるスペースや使い道は建物によって異なるので、設計担当者に相談しながら検討するのがよいでしょう。
■スキップフロアやロフトを設ける
縦の空間を利用して、スキップフロア(中二階・中三階)やロフトを設置するのもおすすめです。
数段の階段によって床との高低差ができるので、視界がずれて開放的な空間に感じられるでしょう。収納はもちろん、セカンドリビングやリモートワーク用の書斎など幅広い使い道が期待できます。
空間をゆるく区切りたい場合はスキップフロア、高い位置に設けて人目につきにくくしたい場合はロフトがおすすめです。用途に合わせて選びましょう。
■吹き抜けや窓で採光を確保する
周りに3階建ての家や高層ビルが多いと、採光を確保しにくくなります。吹き抜けや窓を設置して、日当たりのよい空間を作りましょう。設置する場所や大きさによっては、空間を広く見せることができて一石二鳥です。
スケルトン階段などを組み合わせて、光を届きやすくするのもおすすめです。
■廊下をできるだけ無くす
廊下は本来、部屋同士をつなぐ目的で設けられるものです。しかし狭小住宅の場合、ワンフロアに何部屋も設けるケースはそれほど多くありません。
不必要な廊下を省くことで、浮いた床面積をほかの部屋や設備にあてられます。どうしても部屋を仕切りたい場合は、床面積を消費する廊下ではなく間仕切りなどの導入を検討してください。
狭小住宅を10坪の土地に建てる際の注意点
最後に、10坪の土地に狭小住宅を建てるときの注意点を紹介します。場合によっては建築費用が割高になってしまいますが、快適に住むにはいずれも大切なポイントです。間取りを設計するときの参考にしてください。
■防音対策を忘れない
先述した通り、狭小住宅を建てる際に欠かせないのが防音対策です。ペットや子どもの声だけでなく、ピアノや室外機の音など、意外なところにトラブルの原因が潜んでいる可能性があります。
狭い土地を目一杯使用して建てても、近隣住民へ迷惑を掛けることがないよう十分な対策をしましょう。防音対策は近隣住民だけではなく、自分たちがストレスを溜めないためにも重要なポイントです。
採用する建材や設備によっては建築費用が割高になりますが、結局後付けすることになると手間や費用がかかります。設計の段階で十分な対策を施しましょう。
音の質や大きさなどによって有効な対策は異なるので、独断ではなく設計担当者と話を進めてください。
■駐車スペースをどうするかあらかじめ決めておく
車を所有する場合、駐車スペースの確保も必要です。
狭小住宅に駐車スペースを設けるとなると、1階部分をビルトインガレージにするのが一般的です。ただビルトインガレージには、ワンフロア分の居住空間を削らなければならない点や、住宅の構造強度が下がりやすくなるという難点があります。
強度を高めるための補強にコストがかかれば、建築費の増額も懸念されるでしょう。
維持費はかかりますが、近隣に月極駐車場などがあれば、そこを借りるのも一つの選択肢です。自分たちが優先したい事項をもとに、駐車スペースをどのように確保するかあらかじめ検討しておきましょう。
■将来の生活を考慮した間取りにする
狭小住宅に関わらず、間取りを設計する際は将来の生活を見通すことが重要です。家族が増えて成長したときのことや、自分たちの老後のことをイメージしましょう。
例えば家族が増えると、成長に伴い荷物もどんどん増えていきます。それを見越して、設計の段階で収納スペースに余裕を持つことが大切です。
また、年齢を重ねるにつれて上下の移動がしにくくなります。足腰が丈夫であっても、高齢になると転倒や転落事故のリスクが上がってしまうでしょう。
居住フロアを限定して老後も住み続けるという方法以外に、数十年後、思い切って建物を売却するという選択肢もあります。どちらを選ぶかによって間取りが変わってくるので、家族で事前に話し合いましょう。
快適な狭小住宅を建てるなら、ヤザワランバーへご相談ください
間取りや設備を工夫すれば、10坪の土地でも快適な狭小住宅を実現できます。デッドスペースの場所など、工夫できるポイントは土地の形状や間取りによって異なります。信頼できるハウスメーカーに建築を依頼し、納得できる家づくりを行なってください。
ヤザワランバーは、東京を中心に家づくりを手掛ける住宅会社です。創立48年で培ったノウハウと経験を活かし、お客様の理想の暮らしに合わせたご提案をいたします。
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