2023/06/30
畳コーナーでよくある失敗例とは?後悔しないための注意点や施工事例も解説
リビングの一角に畳を敷いた「畳コーナー」を間取りに取り入れる場合、建てた後に「つくらなければよかった」と、後悔することを避けたいのではないでしょうか。本記事では、畳コーナーのよくある失敗例や失敗しないためのポイントを、建築事例も含めて詳しく解説します。
目次
畳コーナーの失敗例6選
おしゃれな畳コーナーをつくったと思ったら、広さが中途半端で寝転ぶこともできない、活用しにくいなど、後悔してしまう事例がいくつもあります。他にも、完成後、想像以上にリビングが狭く感じてしまったりインテリアから浮いてしまっていることに気づいたりなどの失敗例を6つ紹介しています。
また、できると思い込んでいたことができない、便利になると思っていたことが不便だったなど、事前に知っておけばよかったと思うこともあるでしょう。
そのため、具体的な失敗例を紹介しながら、どのような方法があるかについても解説します。
リビングが狭く感じる・インテリアと合わない
リビングに隣接した畳コーナーに仕切りをつけたことにより、圧迫感をおぼえてしまい、リビングを狭く感じてしまう場合があります。
リビングを狭く感じさせたくないからと、畳コーナーを縮小しても、広さが十分にない畳コーナーは、大人にとっては横にもなれない窮屈な空間になる可能性がででくるでしょう。
子どもにとっても遊ぶには狭すぎるという中途半端なスペースになる場合もあります。
また、洋風のリビングに対して畳の和の雰囲気が馴染まないことがありますが、畳の選び方などで調和させることも可能です。
畳のメンテナンスに費用・手間がかかる
畳は定期的なメンテナンスが必要のため、メンテナンス費用がかかってきます。
い草を使用した畳の寿命の目安は15年ほどですが、新調する前に劣化した面を裏返して張り直したり、畳の表部分と縁を交換したりするメンテナンスは、おおよそ5年ごとに必要です。
また、畳は水分を含みやすいため、飲み物などをこぼしてしまったときは、中に浸透する前に素早く拭きとらなければなりません。水分をしっかりとらずに放置してしまえば、カビやダニの発生につながります。
他にも日焼けで変色してしまったり、家具の跡がついてしまったりする場合があります。畳の日焼けを予防するには、紫外線を予防する必要があるため、窓やカーテンをUVカット使用にするなどの対策が必要です。
家具のへこみを防止するためには家具を設置する際に、100円均一でも手に入るコルクマットや耐震ゴムを挟むだけで、かなり軽減できます。見た目が気になる場合は、デザイン性も考えられた専用のへこみ防止グッズの利用もひとつの方法です。
有効活用できない
リビングの一角に畳コーナーを設置すると、リビングと一体感がありながらも独立したスペースとして利用できることはメリットです。ただし、イメージしていた畳コーナーの使い道にしては狭すぎたり、使用しづらい場所に設置されていたりすると、違う形での活用もしづらくなります。
そのため、畳コーナーとしてではなく、独立した和室にしておけばよかったと感じる場合もあるでしょう。
畳コーナーを設置する前に、どのような用途で利用するのか具体的にイメージを持つことで、有効な場所に必要な広さの畳コーナーをつくりやすくなります。
段差が不便に感じ
段差ができる小上がりの畳コーナーでは、高さによっては赤ちゃんを遊ばせるときに落下の不安があります。40cmほどの段差になると、よちよち歩きの幼児や活発に動き回る子どもも、落下してしまうとケガに繋がる恐れがでてくるでしょう。
ただし、段差を低くくし過ぎると、大人も含みつまずきやすくなったり、足をぶつけやすくなります。
また、ロボット掃除機を利用しても1~2.5cm以上の段差には対応していないため、段差がある畳コーナーまで届きません。たとえ届いたとしても、畳は傷がつきやすいため、ロボット掃除機の使用は控えたほうがよいでしょう。
床暖房を設置できない
畳のスペースに床暖房を設置するためには、床暖房対応の畳を使用しましょう。通常の畳では床暖房の熱がほぼ伝わらず、畳自体も劣化しやすくなります。
床暖房専用の畳は通常の畳より薄いため、熱伝導率も高くなりますが、ダニやカビを抑制する加工も施されている場合がほとんどです。
建築コストが上がることがある
畳コーナーを小上がりタイプにする場合、4.5 畳だと25万円ほどの費用がかかります。それ以上に費用が加算されるのは、収納スペースや仕切りなどをつけた場合です。
段差のないフラットな畳コーナーをフローリングに設置するには、意外とコストがかかります。フローリングを加工してつける畳は、一般的な和室に使用されている畳の3分の1ほどの薄い畳(約15mm)が必要です。15mmの畳に使用される材料費は通常よりも割高な点と施工にも技術が必要なことから、一般的な畳よりもコストがかかります。
なるべくコストをかけずに畳コーナーをつくりたいのであれば、フローリングの上に畳を置くタイプや貼るタイプもあるため、いろいろな角度から検討してみましょう。
畳コーナーならではのメリットとは?
畳コーナーは用途をきちんと決めて取り入れれば、有意義に活用できるスペースになります。ここでは、畳コーナーを取り入れるメリットについて紹介します。
さまざまな使い道がある
畳コーナーがあることで、子どもの遊び場やアイロンがけなどの家事をするスペースにもできますし、気軽に横になってお昼寝したり、来客時の応接室や寝室にしたりも可能です。
また、畳はフローリングよりもクッション性が高く、気軽に寝転べます。転んでもケガをしづらく肌触りや匂いも良いため、大人も子どももリラックスして使用できるスペースです。畳コーナーは日常的に使用しながらも、お客様用としても使用できるなど、さまざまな活用ができます。
おしゃれな空間になる
畳コーナーをリビングと調和するようなインテリアにすることで、部屋の中に変化が生まれ、おしゃれな空間を演出できます。畳の色を変えたり縁のない畳を敷くことで、フローリングに馴染みながらも、インテリアのアクセントにもなるでしょう。また、小上がりの畳コーナーにすることで、リビングの空間が立体的になり、おしゃれ度があがります。
収納スペースとしても使える
畳コーナーを小上がりにすると、段差を利用して収納スペースにできます。子どもがよく遊ぶスペースであれば、子どものおもちゃや日用品などを収納することで、使用時も片付け時もスムーズです。
畳コーナーを来客時の寝室として利用することが多い場合は、お客様専用の寝具を収納すると便利でしょう。
畳コーナーで失敗しないための注意点
畳コーナーで失敗しないためのポイントは次の3つです。
・何に使うのかを明確にしてから、広さや段差・仕切り・収納スペースの有無などを決める
・使わなくなることを見越して、リフォームしやすい(簡易的な)つくりにする
・仕切りを設ける場合は壁ではなくロールスクリーンなどにして、圧迫感を減らす
畳コーナーを作る目的を明確にすることで、必要な広さや設置場所、フラットにするか小上がりにするかなどの具体的なイメージのもとでつくれるため、失敗しにくくなります。畳コーナーを一定期間利用できればよい場合、最初の設置段階でリフォームのしやすい簡易的なつくりによる設置が可能です。そのため、使用しなくなっても他の形で活用しやすいでしょう。
畳コーナーに仕切りをつけると、圧迫感を覚えやすいため、インテリアにも合わせやすいデザイン豊富なロールスクリーンはおすすめです。
一方で畳コーナーを何となくつくってしまうと、設置した矢先から後悔する可能性もあるため、注意しましょう。作る目的や先々の用途についてなど、最初の段階である程度しっかりとしたイメージが必要です。
畳コーナーのある施工事例を紹介
魅力的な畳コーナーを設置している住宅の事例を紹介します。ぜひ、インテリアも含めた、畳コーナーの活用の仕方を参考にしてください。
半吹き抜けのリビング横に設置した畳コーナー
リビングを半吹き抜けにして、吹き抜けになっていない部分に小上がりの畳コーナーが設置されています。
吹き抜けの天井に設置されたファンにより、冷暖房の効率があがり、ファンの横に大きな高窓を設置したことにより、多くの光が取りこめています。半吹き抜けと小上がりの畳コーナーにより、立体的な空間の広がりを活用している点もぜひ、参考にしてほしいポイントです。
フローリングにも溶け込む畳コーナー
自然のエネルギーである、風・光・熱を活用したパッシブデザインにより、複数の大きな窓が設置されているため、とても開放的で明るい室内です。2階のリビングは屋根勾配の吹き抜けを利用したロフトが、リビングの中央付近に設置されており、屋根勾配の形に沿う形で畳コーナーが設置されています。
参考にして欲しいポイントは、畳コーナーとリビングとの調和のよさです。使用している畳と壁、リビングの床に一体感があり、自然な繋がりを感じさせています。
格子がおしゃれな畳コーナー
リビングに設置された畳コーナーでは仕切りに格子を利用しているため、デザイン性が高く、開放感がありながらもプライベートな空間を感じさせてくれます。光が取りこみづらく暗くなりがちな空間において、高窓の位置や照明の位置を工夫することで明るさを確保している点は、ぜひ参考にしてもらいたいポイントです。
畳コーナーの失敗例を知って家づくりに活かそう
畳コーナーは、あったらおしゃれ感がでて便利さもあると、漠然と感じてしまうことも多いでしょう。
しかし、具体的なイメージを持たないまま畳コーナーを作ってしまうと、住み始めたとたんに使用のしにくさを感じてしまう場合があります。畳コーナーを作ってしまってから後悔する前に、どのような目的で畳コーナーをつくるのか、家族とよく話し合いましょう。
ただし、家族とイメージを共有したとしても、実際にイメージした畳コーナーの設置が可能かどうかは専門家の意見を聞く必要があります。アドバイスをもらう専門家は、やはり実績と経験が豊富でなければ、多くの選択肢や注意すべき点を的確に示してもらうことは難しいのではないでしょうか。
そこで、48年の経験と実績を持つ、家づくりの専門家がいるYAZAWA LUMBERでは、家づくりの相談をオンラインによって無料で行っています。
YAZAWA LUMBERのオンラインによる無料相談会では、畳コーナーだけではなく、あなただけの間取りや資金計画、土地探しについても相談にのって貰えます。
相談会のご予約もオンラインにて24時間受け付けているため、理想の家づくりの第一歩として、ぜひ、YAZAWA LUMBERのオンライン家づくり相談会をご利用ください。