2023/02/27
ビルトインガレージで後悔するポイントは?対策と施工事例も紹介
建物の一部に組み込まれた駐車スペースのことを「ビルトインガレージ」といいます。ビルトインガレージには数多くの利点がありますが、設計に失敗すると後悔につながる可能性があります。
そこで今回は、ビルトインガレージ作りにおいて後悔しがちなポイントをいくつか解説します。対策や建築実例もあわせて紹介しますので、設置を検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
ビルトインガレージのメリット
ビルトインガレージの一番のメリットは、大切な愛車をガレージの中で保管できるという点です。ドアやシャッターが付いているので、砂ぼこりや花粉、風雨などから車体を守れます。盗難やイタズラの予防といった、防犯性の向上も期待できます。
また、車の乗り降りが円滑にできるのもビルトインガレージならではの魅力です。悪天候に左右される心配がなく、小さな子どもがいたり重い荷物を持っていたりしても安心です。ガレージ内にドアを設ければ、生活動線の向上にもつながるでしょう。
さらにビルトインガレージは、車だけでなくバイクや自転車、アウトドア用品の収納にも重宝します。間取りの工夫次第で秘密基地のような空間に仕上がり、車のメンテナンスやアウトドアなど幅広い用途に活用できます。
設置には費用がかかりますが、都心部で月極駐車場を借りることを考えればお得ではないでしょうか。得られるメリットを加味したうえで、ぜひ設置を検討してください。
ビルトインガレージで後悔するポイントと対策
一度作ったビルトインガレージは、建て直しやサイズ変更が困難です。後悔しやすいポイントを対策とともに紹介しますので、設計の際にぜひ取り入れてください。
さまざまな工夫を凝らし、家族全員が納得できるガレージハウスを実現しましょう。
■シャッター音がうるさい
シャッターの開閉音やエンジンの音が、家族や近隣住民に迷惑をかける恐れがあります。深夜や早朝の外出が多い方は、特に注意が必要です。
家族に対しては、間取りの工夫によって改善が見込めます。ビルトインガレージに、寝室や書斎などを隣接させないよう気を付けましょう。用いる建材や設備を工夫して、防音性を高めるのも有効な手段です。
シャッターについては、手動タイプに比べて電動シャッターの方が静音性が高い傾向にあります。開閉時に音が出にくいシャッターを取り入れて、近隣住民との騒音トラブルを回避しましょう。
■車の車種が限られる
広さに限りのあるビルトインガレージでは、駐車できる台数や車種が限られます。家族の増加や、成長にともなうライフスタイルの変化に対応できず、使い勝手が悪いと感じるようになるでしょう。
将来的に車の増台や買い替えを予定している方は、ガレージの大きさを慎重に検討することが大切です。
「車を買い替えたらガレージに収まらなくなり、結局月極駐車場も借りる羽目になった」ということがないよう、長期的な視点で考えましょう。
■建築費用が予想以上に高くなった
先述した防音対策のほか、ビルトインガレージには耐震性を高めるための施工なども欠かせません。デザインにこだわらなくとも、建築費用はおのずと高額になるでしょう。
生活動線や利便性の向上、趣味として車を近くで眺めたいといった理由があり、家族が納得するのであれば特に問題はありません。
しかし、駐車にかかるコストだけを理由にビルトインガレージを設置するのは危険です。状況によっては月極駐車場を借りたり、敷地内の離れた場所にカーポートを設けたりした方が安くすむ可能性もあります。
家族全員の希望を聞いたうえで、予算の範囲内に収まるよう設計することがポイントです。
■暮らしにくい間取りになってしまった
ビルトインガレージを作る場合は、1階部分をガレージ、2階以上を居住スペースにするという間取りが一般的です。窮屈そうなイメージを持った方もいらっしゃるかもしれませんが、十分な生活空間が確保できない場合は3階建てにするという選択肢があります。
しかしビルトインガレージから室内へ上がるまでの動線が悪化し、暮らしにくい間取りになるでしょう。また、階数が多くなるほど階段を使う機会が増え、年齢を重ねるにつれて足腰へ負担がかかるのも懸念点の一つです。
主な生活空間となるLDKは極力ガレージや玄関とともに1階へ設置し、移動にかかる心身への負担軽減に努めましょう。予算にゆとりがあれば、エレベーターを設けるのも有効な方法です。
ビルトインガレージの施工事例
続いては、ビルトインガレージの建築実例をいくつか紹介します。それぞれ住宅様式が異なるので、ご自身の希望に近い実例をぜひ参考にしてください。
検討中の方にとっても、この実例が住宅様式や間取りを決めるヒントになれば幸いです。
■ビルトインガレージがある二世帯住宅
まずは中央にエントランスが設けられている、部分共有型の二世帯住宅です。向かって右側の棟が主に二世帯の共有部分であり、1階部分にビルトインガレージが設けられています。向かって左側の棟が、各世帯のLDKになっています。
1階だけでなく2階にいても左右の棟を行き来でき、2階部分は壁面収納やカウンターの設置により空間を有効活用しています。
さらに2階のLDKには、ふすまで仕切れる小上がりがあります。限られた空間の中で、家族間のプライバシーを確保できるのが魅力です。
■木の温もりが感じられるガレージハウス
続いて紹介するのは、50坪の空間に建てられた3階建て+屋上の建築実例です。1階部分にビルトインガレージがあり、主な居住スペースは2階と3階に設けられています。
限られた土地に住宅を建てる場合、収納スペースの確保が困難になりがちです。
しかしエントランスホールの両サイドや3階の壁面など、至るところに収納を設置して利便性の高い住宅へと仕上がっています。
また外壁に、内装の一部と同系色の異なるテクスチャを使用したタイルを取り入れているのも特徴です。モダンな印象の中に、木の温もりが感じられる外観といえるでしょう。
■ビルトインガレージのある平屋
3つめの建築事例は、どっしりと構えたビルトインガレージが印象的な平屋住宅です。一見シンプルな外見をしていますが、室内にはさまざまな工夫が凝らされています。
まずLDKの天井は屋根なりの勾配天井となっており、開放的な空間に仕上がっています。小上がりになっている畳部分の下部はすべて収納で、すっきりとした寛ぎの空間になっているのも特徴です。
こちらのご家庭ではネコを飼っており、インテリアになじむキャットウォークが設けられているのもチェックしてほしいポイントです。室内でペットを飼う予定の方は、ぜひ参考にしてはいかがでしょうか。
ポイントをおさえて後悔のないビルトインガレージに
ビルトインガレージは数々の魅力がある一方で、一度設けると作り直しができないという難点を抱えています。
後悔のないガレージハウス作りができるよう、今回紹介したポイントをおさえたうえで慎重な設計をおこないましょう。
家族だけで判断しかねる場合は、ハウスメーカーの担当者とともに進めるのがおすすめです。困ったときにすぐ相談できるよう、信頼できる住宅会社に家づくりを依頼してください。
ヤザワランバーは、東京を中心に家づくりをおこなっている住宅会社です。ビルトインガレージ付きの住宅を建てた経験も豊富で、これまでのノウハウを活かした間取りのご提案が可能です。
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