2023/03/31
吹き抜けの家にありがちな後悔とは?建てる前に知るべき8つの盲点
吹き抜けのある住宅は、おしゃれで開放感があることから高い人気を誇っています。しかし、設置を後悔している人も少なくありません。
本記事では吹き抜けの家にありがちな後悔のポイントを、設置における注意点とともに解説します。吹き抜けの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
吹き抜けの家に住む人のよくある後悔
後悔する理由の一つに、吹き抜けのある家は事前に実生活で起きるデメリットをイメージしにくいことが考えられます。ありがちな後悔のポイントを8つ紹介するので、事前に理解したうえで設計に取り掛かりましょう。
1階が寒い・光熱費がかかる
まず挙げられるのが、空調管理の難しさやそれにともなう光熱費の問題です。「吹き抜け=自然光を取り入れやすい」と思われがちですが、夏場は直射日光が差し込んで室内の温度が上昇しやすくなります。
一方で冬場は、せっかくの暖気が上昇してしまい、1階部分の暖房の効きが悪くなるでしょう。部屋を暖めようとしてフル稼働させると、そのぶん光熱費がかさんでしまいます。
音やニオイが2階に届きやすい
1階の生活音やニオイが2階に届きやすいというのも、意外と盲点になりやすい部分です。
テレビの音や会話がよく響くので、2階で寝たり勉強をしたりしている家族に配慮しなければなりません。料理のニオイや煙も上昇しやすく、2階へ干している洗濯物や壁紙に付着する可能性があるでしょう。
掃除が大変
吹き抜けを設けると、天井や窓、照明などがどうしても高位置になります。場合によっては室内の空気を循環させるために、シーリングファンを設置することもあるでしょう。
ただ、忘れてはならないのがメンテナンスの問題です。溜まったホコリや汚れを落とすには、柄が伸びる掃除道具や脚立などの使用が欠かせません。きれいな状態をキープするために、思った以上の手間や労力がかかるでしょう。
業者に依頼するという選択肢もありますが、その場合はメンテナンス費用がかかります。
2階が狭い
吹き抜けを設置することで、2階の一部の居住スペースが削られます。家族の人数や生活スタイルによっては、狭さを感じ「個室や収納を増やせばよかった」と後悔するでしょう。
1階部分の採光がある程度確保できている、荷物の量が多いといった場合は、吹き抜けではなく収納を設けた方がよいかもしれません。
家づくりにおける優先順位を、家族間で事前によく話し合っておかないと「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。
耐震性に注意する必要がある
吹き抜けを設置すると、本来あるべき支えを一部失います。真四角の構造をした住宅に比べて、耐震性が低くなるでしょう。
耐震基準をクリアするために、思わぬところへ柱や壁が設けられて完成後に違和感を覚えることがあります。あらかじめ記載されていても、図面上では見落としてしまうケースが少なくありません。
窓から採光できない
吹き抜けの魅力の一つとして「採光を確保しやすい」ということが挙げられます。実現するためには窓を高位置へ取り付ける必要がありますが、それが結果として後悔を招くこともあります。
たとえば夏場は日差しが強く、窓の方角によってはなかなかカーテンを開けられません。また隣家との距離が近い住宅では、視線が気になるという懸念点もあるでしょう。
せっかくの窓が、期待通りの役割を果たせなかったという後悔につながります。
クロスのカビ・劣化が気になる
吹き抜けを設置すると、クロスの一部に直射日光が当たりやすくなります。その結果、クロスのつなぎ目が劣化してはがれやすい状態となるでしょう。
一方で直射日光が当たりにくい北側には、湿気が溜まりやすいという難点があります。日頃の手入れを怠ると、カビが生えるため注意が必要です。
とくに高い位置は、目が届きにくく「知らないうちに劣化やカビが生じていた」という話もしばしば耳にします。
子どもが転落しないか心配
吹き抜けがある家では、2階の床が一部ありません。うっかり転落する危険性があるため、小さな子どもがいる家庭ではとくに注意が必要です。おもちゃなどの落下が原因で、1階にいる家族がケガをする恐れもあります。
吹き抜けで後悔しないためのポイント
吹き抜けの設置における、8つの盲点について解説しました。続いては、後悔しないためのポイントを紹介します。
設計をおこなう際の参考にしながら、快適に暮らせる家づくりを実現しましょう。
家の断熱性・気密性を高める
住宅の断熱性や気密性を高めることによって、冷暖房の効率化を図れます。具体的には「ZEH基準」や「HEAT20のG1~G2」といった断熱基準、「C値1以下」の気密性能を満たすのが理想です。ピンと来ない方は、担当者に確認しましょう。
また予算に余裕がある場合や、寒さの厳しい地域に家を建てる場合は床暖房の設置も視野に入れてください。オール電化であれば、蓄熱式暖房を取り入れるのがよいでしょう。
シーリングファンを設置する
天井に設置する扇風機のことを「シーリングファン」といい、空気を循環させる役割を果たします。上部に溜まった暖気と下部に留まる冷気がうまく流れて、快適な室温をキープできるでしょう。
シーリングファンがインテリアの一部となり、室内がおしゃれな空間になるという魅力も兼ね備えています。
照明器具・位置を考える
照明器具の種類や配置を工夫することで、日頃の手入れや電球交換にかかる負担を軽減できます。
たとえば電球は、交換頻度の少ないLEDを選ぶのがおすすめです。手が届く位置に取り付ければ、いざ手入れや電球交換が必要になったときも手軽におこなえます。どうしても高所に設置したい場合は、昇降式の照明器具を取り入れるとよいでしょう。
設計の段階で、メンテナンスの様子をイメージすることが大切です。
窓ガラスや日除けを工夫する
先述したとおり、高位置に窓を設置すると日差しやプライバシーの問題が生じます。
必要に応じて、断熱性が高い窓ガラスや曇りガラスなどの導入を検討してください。
あわせてブラインドや庇(ひさし)を取り付ければ、夏場の日除け対策にもなるはずです。
メンテナンス費用を視野に入れる
高位置のメンテナンスを自力でおこなうと、転落などの恐れがあります。清掃が十分に行き届かず、思い通りの仕上がりにならないこともあるでしょう。
費用はかかりますが、思い切って業者に依頼するのも一つの選択肢です。
高い位置は下部に比べて汚れにくいことを踏まえ「1年に1回」など、依頼する頻度を決めておけば出費を最小限に抑えられます。
転落を防ぐ
小さな子どもがいる家庭では、手すりを設置して転落防止に努めてください。子どもが顔を出して遊べないように、手すりの幅はある程度狭くすることがポイントです。
また柵の幅を狭くしたり、強化ガラスなどで腰壁を作ったりするのも有効な対策です。デザインにばかり気を取られず、安全対策にもしっかりと注力しましょう。
将来の家族の暮らしを考える
家づくり全体における後悔として、よく耳にするのが「部屋数や収納スペースが足りなかった」という内容です。建てる時点の家族構成や生活スタイルだけでなく、遠い将来のことまで視野に入れたうえで設計をおこなってください。
吹き抜けには数多くの魅力がありますが、安易に設置すると将来的に部屋数や収納スペースが不足する恐れがあります。
吹き抜けがある場合とない場合とで、暮らしにどのような違いが生じるのか事前にイメージしましょう。家づくりで後悔しないためには、家族で話し合いを重ねながら設計を進めることが大切です。
吹き抜けのある家の魅力は?
吹き抜けのある住宅には、注意点がある一方で多くの魅力があることも事実です。
一番のよさは、なんといっても「明るく開放的な空間を演出できる」という点です。気持ちのよい自然光が差し込むほか、窓を開けたりシーリングファンを稼働させたりすることで風通しの良い空間にもなるでしょう。
照明やインテリアにこだわることで、デザイン性の高いおしゃれな家を実現できるのも大きなメリットです。庭やテラスと隣接させたり、勾配のある屋根を取り入れたりすれば、空間が縦横に広がってより開放的な空間となるでしょう。
さらに、家族間でコミュニケーションが取りやすいという点も、吹き抜けがある家ならではの魅力です。家族それぞれが、別の作業をしながら会話を楽しめます。家事をしながら子どもの遊ぶ様子を見守ることができれば、親として安心ではないでしょうか。
リビング階段を組み合わせれば、玄関から帰宅した家族と必然的にコミュニケーションを取る機会も増えるでしょう。
ヤザワランバーで後悔しない吹き抜けの家づくりを
吹き抜けの盲点を理解しないまま家づくりをおこない、後悔している人は少なくありません。
間取りや設備の工夫次第で解消できる内容ばかりですので、事前にポイントを押さえたうえで設計に取り掛かりましょう。今回紹介したコツを参考にすれば、魅力的な間取りを実現できるはずです。
困ったときはハウスメーカーの担当者に相談しながら、納得できる家づくりをおこなってください。
住宅会社のヤザワランバーは、東京を中心に「1棟1コンセプト」の注文住宅を実現しています。これまでに吹き抜けのある住宅を建てた経験も複数あり、お客さまの家族構成や理想の暮らしに合わせたご提案が可能です。
ただいま「オンライン家づくり相談会」をおこなっていますので、家づくりを検討中の方はぜひ一度ご参加ください。設計や間取りのことはもちろん、資金計画や土地探しに関するご相談も承っています。