2023/05/25
スキップフロアのある家の間取りはどうなる?気になる施工事例や注意点
段差を利用して部屋を区切るスキップフロアは、家を建てる際に取り入れたいと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、スキップフロアのメリットや実例を紹介します。間取りを考える際の注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
スキップフロアを間取りに取り入れるなら
近年人気のスキップフロアに憧れを抱いていても、実際にどのように取り入れたらよいのか、うまくイメージできない方もいるのではないでしょうか。スキップフロアは、たとえば以下のような取り入れ方が可能です。
- 階段の途中に中二階をつくる
- リビングの近くに小上がりとしてつくる
- リビングから一段下げたところにつくる
- ロフトとしてつくる
中二階とは、階と階の間に設けるスペースを指します。階段の途中にスキップフロアをつくれば、家族との距離は近いまま空間を仕切れるため、セカンドリビングやワークスペース、子どもを遊ばせる場所としての活用も可能です。
またスキップフロアは、リビングの近くに小上がりとして設置しても、使いやすいスペースとなります。小上がりは階段途中につくるスキップフロアよりもさりげなく空間を仕切ってくれるため、リビングの一部として使いつつ、部屋にアクセントを与えてくれるでしょう。
小上がりと同じように、リビングから一段下げたところにつくる、半地下タイプのスキップフロアも人気です。半地下タイプのスキップフロアもリビングと一つづきで使えるため、遊び場やスタディスペースとしての活用ができます。
またスキップフロアによって一段下げたスペースは天井との距離が遠くなる分、空間が広く感じられ、開放感を与えてくれるでしょう。
収納を目的に、ロフトとしてスキップフロアを取り入れようと考える方も少なくありません。家族と暮らす中で、増えていく様々な物をスキップフロアに収納できれば、スッキリとした見た目のまま過ごせます。
ひと言にスキップフロアといっても、見てきたように多くの使い方があるため、ぜひ自分の家庭に合った使い方を考え、検討してみてください。
スキップフロアのメリットとは?
スキップフロアの活用方法を見てきましたが、スキップフロアを取り入れるメリットには、以下の点が挙げられます。
- 空間を有効に使え、他にはない自分たちだけのおしゃれな家になる
- 明るく風通しの良い家にできる
- 家族が顔を合わせる機会が増える
スキップフロアは縦の空間を利用してスペースを増やし、多くの使い方ができる間取りです。ワークスペースや遊び場、収納スペースなど、自分たちで使い方を考えて、最適なスキップフロアが選択できるため、他の家と被ることがありません。
自分の家だけが持つおしゃれな空間は、暮らす家族にとって、大きな自慢となるでしょう。
またスキップフロアは、明るく風通しの良い家にできる点もメリットです。ドアや壁などがなく、完全に独立した空間ではないスキップフロアは、光や風を防がないため、快適な空間になります。
さらに家族との距離が近く、顔を合わせる機会も増えるのもメリットです。家族それぞれが自分のしたいことを楽しみたいときにも、誰かの気配が感じられる空間は、安心にも繋がります。
スキップフロアのある間取り事例を紹介
ここからはさまざまなメリットを持つ、スキップフロアの間取り事例を紹介します。スキップフロアを取り入れようと検討している方は、実際の活用方法を見て、ぜひ具体的にイメージしてみてください。
ダイニング・キッチンをスキップフロアにした住まい
はじめに紹介するのは、ダイニング・キッチンをスキップフロアにした実例です。食事を作ったり食べたりするダイニングとキッチンと、団らんやくつろぐことを考えたリビングを区切れば、同じ空間でもしっかりと使い分けができるでしょう。
またダイニングとキッチンが高い位置にあれば、キッチン内が少々散らかっていたとしても、リビングから見えづらいため、急な来客時にも安心です。床の高さが変わって眺望に違いが出る点も、ダイニング・キッチンをスキップフロアにした際の面白い点といえます。
小上がりでゆっくりくつろげる平屋
次に紹介するのは、小上がりを設置した平屋の実例です。小上がりを畳コーナーとすることでリビングにメリハリがうまれ、ソファで寛いだあと畳に移動して寝転がるなど、様々な使い方が考えられるでしょう。
小上がりの下は収納スペースとなっているため、リビングがすっきりと保てます。お子様やペットの遊び道具などをしまっておけば、遊びたいときにすぐに取り出せて楽しめるのではないでしょうか。
半吹き抜けと小上がり和室を組み合わせた空間
こちらは通常の1階よりも高天井が魅力の半吹き抜けと、小上がりの和室を組み合わせた事例です。半吹き抜けをリビングに取り入れることで空間を縦に広げ、開放感を与えてくれます。
一方で開放的なリビングから目が届く位置にある小上がり和室は、天井を通常の高さとしたため、適度なこもり感が感じられる空間です。お子様のお昼寝やくつろぎコーナーだけでなく、仕事などで集中したいときにも、活用できるスペースといえるでしょう。
地下でも明るい空間が広がる家
こちらは、2階建てにスキップフロアで地下室をつけた実例です。暗くなりがちな地下特有の問題を解消しようと、採光の窓を多く設け、階段は圧迫感のないスケルトンタイプを使用しました。
ご家族がダンスレッスンをすることもあり、壁面に鏡を設置した点も、空間を広く見せるポイントです。白を基調とした1階2階と違い、暗めの色を取り入れた内装やインテリアは、階段を降りるだけで気持ちを切り替えてくれる空間となるでしょう。
上層階にスキップフロアの収納スペースを設置
最後に紹介するのは、上層階にスキップフロアの収納スペースを設置した事例です。3.5mの高天井のリビングにスキップフロアを設け、大型収納を実現しました。
階段を上がれば広がるスペースは収納だけではなく、ゾーニングして机を設置すれば、ワークスペースなどにも使えます。声の届きやすい距離であるため、姿は見えなくても家族の気配が感じられるのも、嬉しいポイントです。
スキップフロアの間取りで気をつけたいこと
多くのメリットがあり、家族によってさまざまな使い方が考えられるスキップフロアですが、間取りを考える際には、以下のポイントに注意する必要があります。
- 暑さ・寒さへの対策をする
- 音・ニオイが広がらないか注意する
- 将来の暮らしも見据えて設置する
順番に見ていきましょう。
暑さ・寒さへの対策をする
スキップフロアは、床の高さが変わるため、エアコンだけでは部屋を快適な温度に整えにくいことに注意しなければなりません。せっかくスキップフロアを設置しても、夏は暑く、冬は寒い空間であれば、使いにくいスペースとなってしまうでしょう。
暑さや寒さには、以下の対策が考えられます。
- 断熱性や気密性の高い素材を選ぶ
- 全館空調システムを取り入れる
- シーリングファンやサーキュレーター・床暖房などを設置する
十分な断熱性や気密性が備わっていれば、夏でも冬でも温度差のない過ごしやすい空間が実現できます。スキップフロアを設置したいと考えているのであれば、まず高断熱や高気密素材を取り入れることを考えてみましょう。
また全館空調を取り入れたり、シーリングファンやサーキュレーター、床暖房なども効果的です。自分や家族が過ごしやすいスキップフロアとなるよう、取り入れられる対策を検討し、話し合ってみてください。
音・ニオイが広がらないか注意する
空間をゆるやかに仕切るスキップフロアは、家族の気配を感じやすいメリットがありますが、音やニオイが届きやすいことが注意点です。家族であればどのような音やニオイがしても大丈夫かと思うかもしれませんが、たとえば仕事のために用意したスキップフロアに、テレビの音や子どもの声が筒抜けになってしまうようであれば、集中できなくなってしまうでしょう。また寝室としてスキップフロアを使っている場合、いつまでも夕食のニオイが漂っていれば、安眠できないことも考えられます。
- キッチンとスキップフロアは離して設置する
- パーテーションを置いて音を防ぐ工夫をする
音やニオイの影響を受けないためには、上記の対策を検討してみてください。仕事部屋として使いたい場合は別で部屋を設置するなど、家族全員で使い方を含めて、さまざまな対策を話し合ってみましょう。
将来の暮らしも見据えて設置する
スキップフロアを設置する際は、将来の暮らしも見据えて設置することも大切です。家を建てたときは元気だった自身や家族も、長く住んでいると階段の上り下りが負担と感じてしまう場合があります。
また子どもの遊び場やワークスペースとして利用していた場合、子どもの独立後、使わなくなってしまうケースも考えられるでしょう。
- スキップフロアへ繋がる階段を広くする
- 手すりを設置する
- 他の使い方も考えておく
せっかく設置したスキップフロアを長く有効に使うため、設置時にできる対策や、使い方の変化についても、ぜひ話し合ってみてください。
憧れのスキップフロアのある間取りを実現しよう
見てきたように、スキップフロアセカンドリビングやワークスペース、子どもの遊び場、収納など、さまざまな活用方法があります。自分たちのライフスタイルに合わせた使い方を考え、暮らしをおしゃれで便利にする、憧れの間取りを実現しましょう。