2階建てのガレージハウスを建てる際に知っておきたいポイント！適切な広さや費用相場

自宅で過ごす時間が長くなった昨今、ガレージハウスが注目を集めています。車を停めるだけでなく、ガレージを子どもの遊び場や趣味を楽しむ場としても使えることが人気の理由のようです。

そこで今回は、2階建てのガレージハウスの魅力や、事前に知っておくべきポイントなどを紹介します。ガレージハウスへの理解を深めて、理想の家づくりを実現しましょう。

そもそもガレージハウスって何？

建物に駐車スペースが組み込まれた住宅のことを「ガレージハウス」といいます。海外では2階建ての母屋に隣接する形で平屋建てのガレージが設けられるのに対し、日本では2～3階建て住宅の1階部分に格納されるという間取りが一般的です。

広めのスペースを確保することで、バイクや自転車を保管したり、乗り物のメンテナンスをしたりと幅広い用途に使えるでしょう。外観や内装のデザインにこだわって、秘密基地のようなプライベート空間に仕上げる方も少なくありません。

2階建てガレージハウスのメリット

2階建てのガレージハウスには、数多くのメリットがあります。平屋のガレージハウスでは実感しにくい、2階建てならではの魅力を紹介します。

■狭小地でも居住スペース・駐車場を確保できる

ガレージハウスの場合、建物とは別に駐車場のための敷地を確保する必要がありません。土地の大きさや形状が制限されやすく、土地代が高額になりがちな都心部に適しているでしょう。

また「敷地に対して建てられる住宅の大きさ」について考えた場合、有利なのが2階建てガレージハウスです。

まず、敷地面積に対する建築面積の割合を「建ぺい率」、敷地面積に対する延床面積の割合を「容積率」といいます。いずれも、各自治体の用途地域ごとに値が定められています。

例えば【建ぺい率60％、容積率100％の20坪の敷地】があったと仮定すると、平屋の場合は【20坪×60％＝12坪】の建物しか建てることができません。そこへガレージも組み込むと考えると、居住スペースが大幅に削られます。

一方2階建ての場合は、各階10坪の広さの住宅を建てられます。1階部分へガレージを設けても、間取りが大きく制限される心配はないでしょう。

以上の理由から2階建てガレージハウスには、狭小地であっても居住スペースや駐車スペースを確保しやすいという利点があります。

■建築費用を抑えることができる

平屋に比べると、建築コストを抑えやすいのも2階建てガレージハウスのメリットです。

両者の延床面積が同じであると仮定した場合、2階建ての基礎部分と屋根部分の面積は、平屋の半分程度ですむためです。いずれも建築費がかさみやすい部分ですので、2階建てにすることでコストの節約が見込めます。

また、2階建ての方が小さい敷地面積で建てられるのも魅力の一つです。同じ延床面積であっても、土地にかかる固定資産税が安くすむでしょう。

ランニングコストを抑えられるのは、長期的に考えると非常に有利なポイントです。

■防犯性が高まる

平屋はワンフロアのみの構造であるため、建物の高さが低く、外部からの視線が届きやすいという難点を抱えています。一方で2階建てガレージハウスは、主に2階で生活するため覗かれにくいのがメリットです。

2階建ての方が、空き巣などに狙われるリスクを軽減できるでしょう。

またガレージハウスであれば、間取り次第で室内から車の様子を逐一確認できます。車上荒らしや盗難のリスクから、大切な車を守れるのも大きな魅力です。

鍵付きのシャッターを取り付ければ、防犯性をより高められます。離れた位置に車を保管する、月極駐車場や分離型のカーポートでは得られないメリットです。

2階建てガレージハウスの面積・費用目安

快適に暮らせる2階建てガレージハウスを建てるためには、必要な面積を理解しておくことが大切です。どれくらいの広さがあればよいのか、費用の相場とともに詳しく解説します。

■家の広さは？

住宅の適切な広さの水準は、国土交通省の「住生活基本法」によって世帯数ごとに定められています。

こちらの資料によると、2人世帯の誘導居住面積水準は75㎡（22.7坪）、4人世帯では125㎡（37.8坪）です。

夫婦2人暮らしであれば前者、夫婦と子ども2人の4人暮らしの家庭は後者を目安にするとよいでしょう。これだけの広さがあれば、十分快適に生活できるという一つの水準です。

ただしこれは、あくまで居住面積の目安です。ガレージハウスを建てる場合は、上記にガレージ部分の広さを上乗せしましょう。

参考：国土交通省「住生活基本法」より

■ガレージの坪数はどれくらいがいい？

ガレージハウスの場合、建てたあとに駐車スペースを拡張することは困難です。将来的な見通しを立てた上で検討するのが一番ですが、難しい場合は普通乗用車のサイズに合わせて設計をおこないましょう。普通乗用車1台に必要な坪数は、次の通りです。

幅2.5m×奥行き6m＝15㎡（4.5坪）

ドアやトランクの開閉、人の通り道が必要になることを考えれば、1台につき16.5㎡（5坪）程度の広さを確保するのが適切です。車のメンテナンスやアウトドア用品の保管など、ほかの用途にも使用する場合はさらに広めのスペースを確保しましょう。

■ガレージハウスの費用相場

ガレージハウスにおけるガレージ部分の坪単価は、50万～80万円程度といわれています。車1台分の駐車スペースに必要な広さが5坪だと仮定すると、費用の相場は1台分で250万～400万円、2台分で500万～800万円となる計算です。

シャッターを海外から輸入したり、デザインに強くこだわったりすると費用はさらに高くなります。ガレージ部分のみの建築費用だと考えると、決して安いとはいえないでしょう。

車を保管するための選択肢はほかにも挙げられますが、月極駐車場を借りるとランニングコストがかかります。また分離型のカーポートを作る場合は、広い土地が欠かせません。土地代が高い都心部では、ネックになりがちな条件です。

費用を比較することも大切ですが、それぞれのメリットやデメリットも加味した上で多角的に検討してください。

2階建てガレージハウスで気を付けたいポイント

2階建てガレージハウスを建てるにあたって、注意すべきポイントがいくつかあります。間取りを考えるときの参考にし、快適で住みやすいガレージハウスを実現しましょう。

■階段の上り下りを考慮して動線を考える

2階建てガレージハウスの場合、階段による上下の移動が欠かせません。

平屋に比べて動線が長くなりやすいため、住みやすい家を建てるためには間取りの工夫が必要です。できるだけ水回りをまとめる、忙しい時間帯に家族がぶつかりにくい配置にするといった工夫を凝らしましょう。

また、忘れてはならないのがガレージとの位置関係です。ガレージの中に勝手口を取り付けて、パントリーとつないではいかがでしょうか。重い荷物を運ぶ必要がない上に、購入品をすぐに収納できるというメリットがあります。

2階にLDKを設ける場合は、勝手口の付近に階段を配置するのも有効な手段です。実生活をイメージしながら、家族全員が住みやすいと感じる設計をおこないましょう。

■断熱性・防音対策

ガレージハウスは建物の一部にガレージがあるため、エンジンの音や振動が室内へ響きがちです。寝ている家族に迷惑をかけないよう、部屋の配置に工夫を凝らしましょう。寝室や客間は、ガレージから離して配置するのがおすすめです。

またシャッターの開閉音が、近隣住民との騒音トラブルに発展する可能性もあります。とくに早朝や深夜の出入庫が多い方は、静音性の高いシャッターを採用するのがベターです。

さらにガレージ内は、室内に比べて断熱性や気密性が低くなる傾向にあります。ガレージの真上に位置する部屋は冷えがちなので、使用する建材や設備を工夫して断熱性能を高めましょう。

2階建てのガレージハウスはヤザワランバーにご相談ください

駐車場付きの住宅を建てる選択肢の一つに、2階建てガレージハウスがあります。

平屋に比べて建築コストを抑えられ、防犯性を高めやすいのが大きなメリットです。また狭小地に建てても、居住スペースを確保しやすいという利点を持ち合わせています。

必要な土地の広さは世帯人数や駐車台数、車種などによって異なるので、実際に建てる場合は綿密な計算とシミュレーションをおこなった上で設計を進めてください。

ご自身のみで判断しかねる場合は、工務店の設計担当者によく相談しましょう。スムーズな家づくりを進めるためには、信頼して任せられるハウスメーカーに依頼することが大切です。

ヤザワランバーは、東京を中心に「1棟1コンセプト」の家づくりを手掛けています。デザインや住宅性能にこだわり、ローコストでワンランク上の注文住宅を建てることに注力している住宅会社です。

ただいま「オンライン家づくり相談会」を開催していますので、駐車場付きの2階建て注文住宅を検討中の方はぜひ一度ご参加ください。お客様の理想の暮らしや予算などをお伺いした上で、専門のスタッフが最適なご提案をいたします。