2022/11/30
15坪の土地に建てる狭小住宅|間取りのポイントや注意点を詳しく解説
近年、利便性が高いエリアに家を建てる選択肢として「狭小住宅」が注目されています。しかし狭小住宅は、敷地の広さが限られています。住みやすい家を実現するには、間取りの工夫が欠かせません。
そこで今回は、15坪の土地に狭小住宅を建てるメリットや、間取りのポイントについて解説します。都心部にマイホームを建てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
15坪の土地はどのくらいの広さ?
そもそも15坪の土地とは、どのくらいの広さなのでしょうか。1坪は「畳約2畳分」であり、15坪は【約30畳分の広さ】といえます。また1坪は「約3.3㎡」であることから、15坪は【約49.5㎡】とも表現できます。
これは、一般的な駐車スペース4台分の広さと同等です。数字だけでピンとこない方は、ぜひイメージしてください。
■どのくらいの広さの家が建てられる?
15坪の土地をイメージし「意外と広いな」と感じた方もいらっしゃるはずです。しかし、敷地いっぱいに住宅を建てられるわけではありません。
土地には、生活環境を守ったり業務効率を上げたりする目的で、エリアごとに「住居系」「商業系」「工業系」といった用途地域が定められています。
まずは、希望のエリアが住居を建てられる用途地域であるかどうかを確認し、次に建ぺい率や容積率を確認しましょう。
「建ぺい率」とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、30~80%の間で定められています。また延べ床面積を使って算出される、敷地面積に対する建築延べ床面積の割合を「容積率」といいます。
例えば15坪の土地に住宅を建てる場合、次のような考え方になります。
【最大建築面積】
49.5㎡ × 0.8(建ぺい率80%) = 39.6㎡
【部屋の広さ(容積率100%、1階が39.6㎡の場合)】
49.5㎡ – 39.6㎡ = 9.9㎡
つまり容積率が100%の場合、2階の広さはわずか9.9㎡となります。居住人数が少ない場合やバリアフリーの家にこだわる方は、間取りを工夫すれば平屋でも十分住める家になります。
ただ、土地をめいっぱい使って狭小住宅を建てるには、建ぺい率や容積率が高い土地を選ぶことが必要不可欠です。仮に建ぺい率が50%の土地であっても、容積率が150%であれば3階建ての狭小住宅を実現できるでしょう。
15坪の土地に建てる狭小住宅の間取り
15坪の土地を最大限利用して狭小住宅を建てる場合、2~3LDKの3階建てにするのが一般的です。例えば1階に収納付きの洋室と寝室、2階にLDK、3階に書斎や子ども部屋を設ければ、家族3人が不自由なく生活できるでしょう。
ただしガレージを1階に設置する場合、各部屋の広さが狭くなります。スキップフロアを設けたりデッドスペースを活かしたりして、空間を有効活用すれば、4人家族でも暮らせる住宅を建てることが可能です。家族の人数や生活環境に合わせた間取りを考えましょう。
15坪の土地に狭小住宅を建てるメリット
土地の広さが限られることは難点だと思われがちですが、実はさまざまな魅力があります。15坪の土地に狭小住宅を建てるメリットを、いくつか紹介します。
■都市部にマイホームを建てられる
都市部は広い土地が確保できないケースが多いですが、土地が狭くても狭小住宅であれば建てられる可能性があります。利便性が高いエリアにマイホームを持てれば、日々の通勤や通学がラクになるでしょう。
主要駅の近くは商業施設も多く、買い物に困らないのも嬉しいポイントです。また交通インフラが整ったエリアであれば、車を持たずに生活できます。ガレージに充てるはずだった床面積を、ほかの用途に使えるというメリットもあります。
■土地代や固定資産税を安く抑えられる
狭小住宅は土地が小さいので、土地代が抑えられる傾向にあります。敷地の形状によっては、さらに安く済むでしょう。
敷地面積に応じて課税される固定資産税や、登記費用などの諸経費を抑えられるというメリットもあります。とくに前者は、毎年支払う税金であるため、長いスパンで見たときに大きな違いが出るポイントです。
■生活にかかるランニングコストを安く抑えられる
狭小住宅は延床面積が小さいため、光熱費などのランニングコストも安く抑えられます。各部屋が狭い分、空調が効きやすいことも電気代に影響するでしょう。
採光を確保する目的で設置したトップライトが、明るく暖かい部屋を実現してくれる場合もあります。また車を持たない選択をすれば、ガソリン代や税金などの維持費を節約できるのも大きな魅力です。
15坪の土地に狭小住宅を建てるデメリット
狭小住宅には数多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。いずれも間取りの工夫次第で改善できるので、事前に理解して設計に反映させてください。
■居住スペースが狭い
狭小住宅は一般的な一戸建て住宅に比べると、どうしても居住スペースが狭くなります。圧迫感が生じたり、住みにくさを感じたりする場面が多々あるでしょう。
また間取りの工夫を怠ると、室内全体がごちゃごちゃとして動線が悪い家になるという難点も抱えています。設計の段階でさまざまな工夫を凝らし、生活動線や家事動線の最適化に努めましょう。
■隣の家との距離が近い
狭小住宅は都心の密集地に建てられるケースが多く、隣の家との距離が近くなりがちです。
日当たりが悪くなりやすいほか、室外機の音や子どもの声などが原因で、近隣住民と騒音トラブルに発展する可能性もあります。窓の位置によっては、隣家の人や通行人から室内が見えるといったプライバシーの問題も懸念されるでしょう。
採光を確保する目的で吹き抜けやトップライトを設置する、あるいは生活音が外に漏れないための防音対策などが求められます。
■建築費用が高くなる可能性がある
狭小住宅のデメリットは、間取りや設備の工夫である程度解消できます。しかし工夫を凝らせば凝らすほど、建築費用はどんどん高くなるでしょう。
3階建てにする場合は耐震性を高める必要がありますし、居住空間を広げる目的でスキップフロアを設置すれば、建築費用はさらに高くなります。
また「周辺の道が狭くて建材の搬入が難しい」あるいは「狭小地で足場を組みにくい」といったことも、費用に大きく影響します。
「土地が狭い=建築費用も安く済む」というわけではないことを、念頭に置いておきましょう。土地選びの際に、工事のしやすさもチェックすることが大切です。
15坪の土地でも快適に暮らせる住まいを手に入れよう
15坪の土地でも、間取りの工夫次第で快適な狭小住宅を手に入れられます。ただ建ぺい率や容積率を考慮すると、土地めいっぱいに建物を建てられるとは限りません。
いざ家づくりをスタートして「知らなかった」「理想と違った」ということがないよう、土地選びの段階から慎重な判断を行いましょう。建築費用のことを考えると、周辺の環境を事前にチェックすることも重要なポイントです。
ヤザワランバーでは、お客様一人ひとりの家づくりを土地探しからサポートしています。都心部に狭小住宅を建てた実績もあり、これまでに培った経験やノウハウを活かしたご提案が可能です。
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