2022/06/27
中二階がある平屋のメリットは?デメリットや間取り例・注意点も紹介
平屋とは1階建ての住宅のことをいい、すべての部屋や設備がワンフロアに収まっている点が大きな特徴です。平屋は2階建ての住宅に比べて間取りの自由度が高く、階段による上下の移動がないことから近年注目を集めています。
ただし、平屋で十分な生活空間を確保するには広い土地が必要です。もし十分な土地を確保できない場合は、中二階を設置することで生活空間にゆとりができるでしょう。
そこで今回は、中二階の特徴や注意点を解説します。平屋の建築で十分な延床面積が確保できず困っている方や、空間の活用アイデアを知りたい方はぜひご一読ください。中二階のある平屋で、理想の家づくりを実現しましょう。
目次
中二階とは
中二階は、建物の1階と2階の中間部分に設けられる階層のことを指します。「スキップフロア」とも呼ばれ、生活に必要な延床面積を確保できない場合や、傾斜している敷地などに多く見られる間取りです。
中二階は段差を設けて空間を区切るため、壁などの仕切りは不要です。そのため、ロフトや一般的な一戸建て住宅の2階のようにフロアがはっきりと分かれていません。
見た目上は一体的なものとして扱われ、ワンフロアを広く見せることが可能です。単に2階を設けるよりも、ゆとりのある空間になるでしょう。
■中二階とロフトの違い
中二階と類似した構造の設備に、ロフトが挙げられます。「一つの空間に段差をつけて区切る」という意味では同様の性質を持っており、法律ではっきりと区別されているわけではありません。
ただ中二階は生活空間として利用され、ロフトは収納や物置としての役割を果たすのが一般的です。中二階とロフトとでは、使用の目的が異なるのです。
またロフトは、高さが1.4m以内で設けられるケースが多く見られます。これは規定の高さを超えると、ロフト部分が延床面積に算入されてしまうためです。生活空間を広くしたい場合は、中二階の設置を検討するとよいでしょう。
中二階がある平屋のメリット
平屋に中二階を設置することで、生活空間を広げるだけでなく機能面でのメリットも期待できます。中二階を設けることで得られるメリットを、詳しく解説します。
■生活空間を広げられる
中二階の最大の魅力は、大きな土地でなくても生活空間を広げられることです。
平屋は2階建ての住宅に比べて、十分な生活空間を確保しにくい傾向にあります。しかし縦の空間を利用して中二階を設けることで、床面積を有効活用できます。
壁や間仕切りを設置する必要がないため、ちょっとした休憩スペースやリモートワークのための書斎など、幅広い用途に活用できるでしょう。仕切りがないため、中二階にいながら1階部分で過ごす家族とコミュニケーションが取れるのも大きなメリットです。
■採光性が高くなる
平屋の難点の一つに、中央の部屋になればなるほど日当たりが悪くなることが挙げられます。周囲に2階建ての住宅が複数あったり、部屋数を多く設けたりすればなおさらです。
このような場合は、日当たりが悪くなりやすい北側や中央の部屋を壁で区切らず中二階にすることで、空間全体が明るくなります。壁や間仕切りを使用しないため、差し込む光が遮られる心配はありません。
採光を確保するには吹き抜けや中庭の設置も有効ですが、ある程度のスペースが必要になります。土地に余裕がない場合は、中二階の設置を検討するとよいでしょう。
■デッドスペースを有効活用できる
平屋は2階建ての住宅に比べると、横の空間に対して制限が生じる場合が多いです。
その点、中二階は縦の空間を利用して設けられます。1階部分から屋根裏までのデッドスペースを有効活用できるでしょう。
また中二階の高さによっては、床下部分にも空間が生まれます。収納スペースにすれば、やり場に困った掃除用具や家具などを手軽に収納できるでしょう。プレイマットなどを敷いて、子どものちょっとした遊び場にするのもおすすめです。
中二階がある平屋のデメリット
平屋の中二階には数多くのメリットがありますが、デメリットも少なからず存在します。
しかし、間取りの工夫などによって解消できる内容もあるので、心配する必要はありません。中二階を設置して後悔しないよう、生じうるデメリットを事前に理解しておきましょう。
■中二階部分は天井が低くなる
平屋には2階がないため、天井を高くして空間を広く見せることが魅力ですが、中二階を設けることにより、中二階の下の1階部分の天井は低くなってしまいます。また中二階の天井についても、事前に高さを知っておかなければ、暮らし始めてから閉塞感や圧迫感を覚える可能性があります。
生活スペースにするつもりで設置しても、天井が想像していたよりも低いことで不便な空間になっては元も子もありません。高さの問題で生活スペースとして機能せず、物置になるのはもったいないことではないでしょうか?
実際にどれくらいの高さになるのかということを考慮しながら、設置場所を慎重に検討しましょう。中二階の用途を事前に決めておき、実生活をイメージしながら設計することが大切です。
■建築費用と固定資産税が高くなる
中二階は、特殊な構造をしています。そのため通常の間取りに比べると、設計や建材選びに手間やコストがかかります。
また中二階部分は、通常の住宅のように柱や間仕切り壁で支えることが困難です。十分な耐震性を確保するための設計や、使用する建材にも何らかの工夫が欠かせません。中二階の設置にかかるコストや予算との兼ね合いを、設計の段階でハウスメーカーへ相談しましょう。
加えて知っておいてほしいのが、固定資産税の問題です。中二階の部分が延床面積に含まれる場合、固定資産税がその分高くなります。
なお中二階が延床面積に含まれるかどうかは、自治体によって異なります。お住まいの自治体の規定を、事前に確認しましょう。
固定資産税は、毎年支払わなければならないランニングコストの一つです。どれくらいの費用がかかるのか、知らないまま中二階を作ることがないよう注意してください。
■室温の管理が難しくなる
室温の管理が難しくなることも、中二階におけるデメリットの一つです。中二階が設けられている部分とそうでない部分とで天井の高低差が生じ、室温を均一にしにくくなります。
例えば冬場は暖かい空気が高所である中二階に集中し、暖房を使用しても下の1階部分が寒くなりがちです。一方で夏場は、リビング全体を空調で冷やしても、空調や換気の設計を誤ると中二階部分のみが暑すぎる事態になるのです。
そのため中二階を設ける際は、建物自体の断熱性能を高める工夫が欠かせません。空調の配置なども慎重に検討しましょう。
中二階がある平屋の間取り例
中二階は下の1階部分ほど空間にゆとりがなく、天井の高さも限られています。
そこで、平屋に中二階を設ける際の空間の活用方法をいくつか紹介します。自身の家族構成や生活環境と照らし合わせながら、導入をぜひ検討してください。
■中二階を子ども部屋として活用する
子どもがいる家庭におすすめしたいのが、中二階を子ども部屋として活用する方法です。スペースの問題で子ども部屋を取り入れるのが難しいときや、子どもが多くいる家庭には特に重宝するでしょう。
例えばLDKに中二階を取り入れ、絵本やローテブルなどを置けば子どもが遊べるスペースになります。下の1階部分にも空間ができるので、使わないおもちゃや育児用品の収納に最適です。もちろん、掃除用具や使わない家具を収納しても構いません。
キッチンから目が届く場所に設置すれば、家事をしながらでも子どもを遊ばせられて安心です。
■中二階を和室にする
中二階は壁や仕切りを必要としない段差で区切られた空間のため、違和感なく同じ空間に異なるタイプの部屋を設けることが可能です。
例えば洋室仕様のリビングに、和室の中二階を設置するといった間取りが実現できます。床の素材が変化することで、空間全体にメリハリが生まれるでしょう。LDKで食事をしたあとに中二階へ上がり、畳のある和室でゆったりと過ごせます。
反対に中二階を洋室仕様にし、1階部分を和室にするのも一つの選択肢です。和室であれば、中二階によって天井が低くなってもそれほど気になることはないでしょう。
■吹き抜けスペースを利用する
吹き抜けスペースを利用して、中二階を設けるのも有効な方法です。
平屋の天井裏を利用すれば、吹き抜けは簡単に設置できます。空間全体が開放感のある印象になり、吹き抜けによる採光の確保も可能となるでしょう。
平屋に中二階を取り入れて空間を有効活用しよう
平屋には、2階建ての住宅にはない魅力が数多く存在します。間取りの自由度が高いこともその一つですが、部屋数が多ければ多いほど広い土地が必要です。延床面積が不足する場合は、中二階の設置を検討しましょう。
中二階には採光を確保できたり、デッドスペースを活用できたりと多くのメリットがあります。ただ中二階を設置するとなれば、費用や空調のことは避けて通れない問題です。平屋の建築を得意とする、実績が豊富な施工会社に依頼しましょう。
ヤザワランバーは、東京を中心に「1棟1コンセプト」の家づくりを手掛ける住宅会社です。これまでに平屋の建築も数多く手がけた実績があり、予算の範囲内で限られた土地を有効活用できるご提案が可能です。
ただいま「オンライン家づくり相談会」を実施していますので、平屋の建築を検討中の方はぜひ一度ご相談ください。間取りのことはもちろん、資金計画や土地探しに関するご相談でも構いません。お客様の家族構成や生活環境、理想の暮らしについてお伺いし、最適なご提案をいたします。