注文住宅の値引き交渉は慎重に！交渉のコツ・リスクや値下げ相場を解説

注文住宅は土地の購入や引っ越し費用など、注文住宅本体の建築費以外にも多くの費用が必要です。そのため、できるだけ注文住宅の建築費を安くしたいと考える方は少なくないでしょう。注文住宅は値引き交渉をすることで建築費を下げられる可能性がありますが、無理に値引きするとリスクも発生します。

今回は注文住宅を建てる際に上手に値引き交渉ができるよう、注意点や交渉のコツを詳しく解説します。

注文住宅の値引き交渉に無理は禁物

注文住宅は建売住宅と違い、顧客が契約してから住宅を建築するため「在庫が余る」という状況は起こりません。そのため、「売れ残っている住宅を早く売るために値引きする」ということが発生しない分、値引き交渉の難易度は比較的高いと言えるでしょう。

顧客一人一人に合わせて設計、建築する注文住宅では無理な値引き交渉は禁物です。起こりうるリスクや注意点についてまずは把握していきましょう。

■強引な値引き交渉により起こるリスク

注文住宅の値引き交渉で無理に価格を下げてもらうと、その分住宅の品質が下がることにつながる可能性があります。なぜなら、注文住宅ではまだ住宅自体が建築されていないため、価格を安くするために安価な建材を利用したり、施工会社に無理な金額で依頼することが可能だからです。

安い建材を利用すると、年数が経過するにつれて劣化が激しくなりリフォーム代がかさむ原因になります。また施工会社の金額を下げることで、通常よりも少ない人数で施工したり、雑に作業を行う原因にもなります。

これらのリスクを回避するためには、住宅会社に対して無理な値引き交渉を行わないことが大切です。

■値引き額だけで契約会社を決めないことが大切

値引き交渉を行う場合でも、「たくさん値引きしてくれた会社と契約する」という方法で住宅会社を選ぶことはおすすめできません。

住宅会社によっては、品質の良い建材を原価に近い価格で提供していることから、大幅な値引きに応じられない場合もあります。住宅会社にはそれぞれ施工技術の得意分野や、建材へのこだわりなどの特徴があります。

そのため、値引き額だけで住宅会社を判断してしまうと、「自分たちが理想としている注文住宅の工法が不得意だった」という失敗につながりかねません。

住宅会社を選定する際には値下げ金額だけではなく、どのような建材を利用しているかや、住宅会社ごとの得意分野をしっかりと理解した上で、自分たちが望む住宅をきちんと建ててくれる会社を見極めることが大切です。

注文住宅の値引き交渉の相場

注文住宅で値引き交渉を行う場合、どれくらい値下げできれば成功と言えるのでしょうか。値下げ額はもちろん工務店や住宅会社によって異なりますが、一般的な値引き相場は5〜7％だと覚えておくといいでしょう。

例えば、値引き交渉で5％の値下げに成功した場合、3,000万円の注文住宅では150万円安く購入できることになります。150万円値引きできれば、引っ越しの際の家具購入費に充当できたり、住宅ローンの頭金を増額するなどの使い道も考えられます。

また、特に大手の住宅会社では10％ほどの値引きを提示してくる住宅会社もありますが、あまりに大幅な値下げはそもそもの提示金額が割高だった可能性や、利用する建材の品質を下げられている可能性もあります。

大きな値下げを提示された場合は、詳細見積もりで内容変更箇所が発生していないかなどしっかり確認しましょう。

注文住宅で値引き交渉を成功させるコツ

注文住宅の値引きを交渉する場合には営業担当者に相談する流れが一般的です。住宅会社の営業担当者とは、契約した後の設計や施工期間も付き合いが続く長い関係になるため、相手の気分を害さずに無理なく交渉することで、その後の打ち合わせもスムーズに進むでしょう。

上手に値引き交渉するにはいくつかのコツがあります。詳しく見ていきましょう。

■複数の住宅会社に見積もりを依頼する

値引き交渉を行う前に、複数の住宅会社に見積もりを依頼し、各社の価格を比較できるよう準備しましょう。この際、本命となる住宅会社と得意分野や工法が似ているハウスメーカーや工務店を見つけて、見積もりを依頼することが大切です。

似ている住宅会社の見積もりであれば、同じ工法や建材なのに価格が違う部分が明確になり、値引き交渉の際に具体的な交渉をしやすくなります。

■値引き交渉は契約前の一度だけにする

値引き交渉はタイミングも大切です。値引き交渉を概算見積もりのタイミングなど、早い時期にしてしまうと設備や建材のグレードを下げることで値引き対応をされてしまうリスクが高まります。また、値引き交渉は何度もこまめに行わず、一度だけすることも大切です。

なぜなら、注文住宅の値引きは金額が大きく、住宅会社としても値引きするために社内で承認を受ける手間などが都度かかるのが一般的です。そのため、何度も値引き交渉をしていると営業担当が真面目に取り合ってくれなくなる可能性が高くなります。

上記の理由から、値引き交渉を行う際はプランが具体的になり、詳細見積もりを受け取った後に一度だけ実施することが大切です。

■詳細見積もりの内容を把握する

値引き交渉を行う際には、各社の詳細見積もりの内容を把握することも大切です。特に、同じ設備を使用している場合は仕入れ値は同価格のことが多いため、値引きの交渉材料として利用しやすいポイントです。

このように、各社の見積もりを比較する際は、詳細見積もりの内訳欄をしっかりと読み解いて、差額が生じている項目があれば金額差に相応の理由があるかを確認することで、無理のない値引き交渉が可能になるでしょう。

値引き交渉以外で注文住宅のコストを下げる方法

注文住宅の建築費をできる限り節約したい場合、値引き交渉以外にもコストを下げる方法があります。値引き交渉がうまくいかない場合や値引きしても予算に合わない場合は、以下の方法も併せて試してみるといいでしょう。

■設備などのオプションを見直す

注文住宅を設計した際に選んだ設備や、造り付け家具などのオプションを見直すとかなりのコストカットが見込める場合があります。

例えば、キッチンにビルトインタイプの食器洗浄機を設置する予定だった場合、「子供が自立して夫婦2人になってからも使うか」など考えて据え置きタイプに変更するとコストカットにつながります。また、造り付け家具も本当に必要な機能かどうかを改めて吟味することで、無駄な部分を削減できる可能性があるでしょう。

このように全体の設計がある程度固まってきた際に、改めてそれぞれの設備のグレードやオプションが将来に渡って必要なものかどうかを家族で話し合うことで、無駄な要素が省けて結果としてコスト削減につながります。

■間取りや構造を工夫する

間取りや住宅の構造を工夫することでも建築費や建材の節約が可能です。

例えば、部屋数が多く廊下もある住宅の場合、その分部屋を仕切るための支柱や壁の施工が必要ですが、部屋数が少なければ壁の施工に必要な建材が節約できます。コストカットを検討している場合は、できるだけ廊下を設けずに部屋数も必要最低限にすることを選択肢に入れるといいでしょう。

また、住宅の構造はできるだけ真上・横から見た際に四角い形をした住宅の方が基礎工事費が押さえられ、建築費が安くなります。具体的には、2階部分にベランダを設置した住宅よりも、屋上スペースをテラスとして活用し、1〜2階部分は凹凸がない住宅の方が建築費は抑えられます。

■キャンペーンを上手に活用する

もう一つの節約方法として、ハウスメーカーや工務店が実施しているキャンペーンを上手に活用する方法があります。特に住宅会社の決算月などには「大決算キャンペーン」などの場合は、値引き交渉を行わずに、通常時と同じ品質で注文住宅を安く手に入れるチャンスです。

また、住宅会社によっては友達からの紹介で値引きが適用される場合や、土地探しから依頼することで値引き対象になるなど条件付きのキャンペーンを常時行っているところもあります。

値引き交渉を行わずにコストカットを狙う場合は、このようなキャンペーンを見逃さずうまく活用することも大切です。

注文住宅ではタイミングとコツを把握してうまく値引き交渉しましょう

注文住宅の値引き交渉は、早い段階から何度も交渉するよりも納得のいくプランが固まり契約する直前に行うのが効果的です。また、無理な値引き交渉は注文住宅そのものの品質を下げてしまう危険性があるため、詳細見積もりの内容を把握し複数社の見積もりを比較することが成功のポイントです。

ヤザワランバーではお客様の理想の住宅を建てられるよう、予算に合わせたプランを丁寧に提案いたします。予算は少ないけれど注文住宅を建てたいと考えている方は相談会でぜひ詳しくお話を聞かせてください。

また、直接お越しいただかなくても実施できるオンライン相談会も用意しているため、注文住宅を検討している場合はぜひ気軽にお問い合わせください。