2階リビングの家は老後も暮らせる?長く住むために必要な対策とは
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近年、2階にリビングを設ける間取りが人気を高めています。しかし老後の暮らしを考えると、不安になる方が多いのではないでしょうか。
本記事では2階リビングの間取りで、老後まで安心して過ごすために必要な対策について詳しく解説します。2階リビングの施工事例もいくつか紹介しますので、あわせて参考にしてください。
リビングを2階にするとどのようなメリットがある?
2階リビングの一番の魅力は、立地に左右されることなく採光や通風を確保できる点です。高層ビルの付近や住宅密集地に家を建てる場合も、広々とした明るいリビングを実現できます。
また1階に比べて、通行人や近隣住民の視線を感じにくいのも嬉しいポイントです。周囲に気を遣って、日中に窓やカーテンを閉める必要がありません。
家族のプライバシーを守りつつ、2階からの眺望を堪能できるでしょう。
階段の昇降については難点だと捉える方が多いですが、適度な運動になるという前向きな意見もしばしば耳にします。
老後も2階リビングで過ごすなら階段への対策が必須
階段の上り下りは健康増進につながるという見方がある一方で、加齢による事故リスクの上昇という難点を抱えているのも事実です。
2階リビングのある家で、老後も安心して生活するために必要な対策を紹介します。
緩やかな階段にする
急勾配の階段は、転倒事故の原因になります。勾配を緩やかにして、上り下りがしやすい設計にしましょう。段数は増えますが、足腰への負担がグッと軽くなるはずです。
ただし勾配が緩やかになるほど、階段に大きな面積が必要となるので気を付けましょう。
踏板は幅を広くする
踏板の幅を広げることも、階段を上り下りしやすくするポイントです。ただし三角形の踏板は、踏み外す恐れがあるので極力避けてください。参道やお城にある階段をイメージしながら設計するとよいでしょう。
またハウスメーカーによっては、階段の段数や形状が決められていることがあります。変更を検討する場合は、設計担当者へ早めに相談することが大切です。
手すりを設置する
老後の暮らしやすさを考えるのであれば、手すりの設置が必要不可欠です。階段はもちろん、必要に応じて玄関や浴室にも新築の段階で手すりを設置しましょう。
当面は不要だと感じるのであれば、将来リフォームをおこなう際に取り付けても構いません。しかし必要なときにすぐ設置できるよう、壁に板を入れるなどして下地補強を施すことがポイントです。
1階まで直線の階段にしない
階段の上から下までが直線になっていると、万が一転倒した場合に1階まで落ちるリスクがあります。L字やU字など、階段全体の形状を工夫して転落防止に努めましょう。
踏板の形状が一部変わってしまいますが、踊り場を設けるのも有効な対策です。
リフォームしやすい家にする
新築の段階で、リフォームしやすい間取りにしておくことも大切なポイントです。たとえば、階段付近へ収納スペースを設けておけば、老後にエレベーターを設置しやすくなります。
また建てた住宅を、終の棲家にしようと考えている方には「木造軸組工法」がおすすめです。「在来工法」や「伝統工法」とも呼ばれる、柱に梁を組み合わせて建てる手法のことです。壁を移動させやすいため、リフォームが必要になっても比較的柔軟に対応できるというメリットがあります。
ただし住宅を支えている耐力壁は、原則として撤去できません。将来的にリビングを1階へ移動させたいという方は、新築を設計する段階で状況を確認しましょう。
階段を玄関の近くに設ける
年齢を重ねると、ちょっとした移動の積み重ねが足腰へ負担をかけるようになります。階段をできるだけ玄関の近くへ設置して、室内の移動距離を最小限にとどめましょう。
外出や帰宅時はもちろん、来客があったときも対応しやすくなるはずです。
2階リビングを快適に過ごすための対策は他にもある
2階リビングを配置するにあたって、注意すべきポイントは階段だけではありません。快適な生活を実現するために、ぜひ取り入れてほしい工夫について詳しく解説します。
夏の暑さ対策をする
2階リビングは日光が差し込みやすく、夏場はどうしても暑くなります。
建物や窓に断熱性が高い建材を取り入れて、暑さに負けない家づくりをおこないましょう。サーキュレーターやファンを取り付けるのも、有効な対策のひとつです。上階へこもりがちな、暖気の循環に役立ちます。
家族が顔を合わせる家にする
2階リビングの間取りでは、子ども部屋や寝室を1階に配置せざるをえないケースが多いです。その結果、外出や帰宅時に家族がリビングを経由しなくなり、コミュニケーションの機会がおのずと減少します。
こうしたケースを避けるために、子ども部屋は極力2階に配置するのがおすすめです。気配を感じやすくなり「知らない間に出入りしていた」という事態を回避できるでしょう。
防犯への対策もしっかりおこなう
リビングが2階にあると、玄関周りや庭への注意がおろそかになります。来客や不審者にすぐ気付けるよう、センサーライトや砂利などの設置を検討しましょう。光や音で知らせてくれるため、上階で生活していても安心です。
また、窓に雨戸や柵を取り付けて、侵入を物理的に防ぐのも有効な対策です。あわせて防犯カメラやカメラ付きのインターホンを取り入れれば、有事の際に対応しやすくなるでしょう。
スマートロックを導入する
近年スマートフォンなどの機器を用いて、自宅の鍵を開閉する「スマートロック」というシステムが普及しています。外出時に使われるケースが多いですが、2階にいながら1階の玄関を操作するという便利な使い道も存在します。
子どもが帰宅したときなどに、うっかり玄関の鍵を閉め忘れても、1階へ降りることなく施錠できるのは嬉しいポイントではないでしょうか。
1階だけでも生活しやすい間取りにする
1階に必要最低限の設備を配置しておけば、将来的に階段の使用が難しくなった場合も不便のない生活を送れます。寝室や水回りは1階にまとめるのがおすすめですが、水回りに関しては、家事動線を考慮すると2階に設けた方がよいという考え方もあります。
将来的なリフォームも視野に入れつつ、家族でよく話し合いながら間取りの設計を進めましょう。
2階にリビングがある家の施工事例3選
これまで2階リビングの間取りや設備について解説しましたが、具体的なイメージがわきにくい方も多いはずです。実際の施工事例をいくつか紹介しますので、家づくりをおこなうときの参考にしてください。
狭小地でも広々としたリビング
まず紹介するのは、狭小地に建てられた2階リビングのある住宅です。
狭小住宅にありがちな「窮屈そう」や「狭そう」といったイメージも、2階にリビングを配置すればうまく解消されます。この事例では屋根なりの勾配天井を取り入れ、縦の空間を活かした開放的なリビングを実現しています。
縦に開けていると空気が一部に滞留しがちですが、シーリングファンを設置して空気を循環させているのも見逃せないポイントです。
バルコニーを設置した日当たりの良いリビング
2階に広めのバルコニーを設置し、明るい空間になるよう仕上げた施工事例です。
バルコニーの下に玄関があり、雨の日に濡れることなく外出できるという利便性の高さも兼ね備えています。
また、この事例では、ワークスペースが2階リビングの横に配置されています。家族の気配を感じながら、ある程度のプライバシーを確保したうえで作業できるのが大きな魅力です。
さらに、収納性の高さが追求された間取りになっている点も本事例の特徴です。ダイニングからL字型に複数の壁面収納が配置されているほか、上部には小屋裏収納が備え付けられています。
「荷物を搬入したら収納スペースが不足した」という後悔がないよう、2階リビングのデッドスペースを活用しながら快適な家づくりをおこないましょう。
屋根勾配の吹き抜けでゆったりとしたリビング
3件目は、屋根勾配の吹き抜けを取り入れた2階リビングの事例です。21坪という限られた空間ですが、上部にロフトを設けて広々とした空間に仕上げています。
デザインにこだわっており、ハイドアではなく2m高の建具をあえて用いることでリビングの広がりを演出しているのもポイントです。
部屋全体のカラーはモノトーンでまとめつつ、照明や小物に個性的なデザインのものを盛り込めばおしゃれな家を実現できるはずです。
2階リビングにするなら老後も考えて家づくりをしよう
2階にリビングを配置する際は、老後を見据えた設計をおこなうことが大切です。階段をはじめ、さまざまな設備や間取りに工夫を凝らしながら、暮らしやすい家づくりを実現しましょう。
間取りの設計に行き詰まったときは、ハウスメーカーの設計士に相談しながら進めるのがおすすめです。スムーズな家づくりをおこなうためにも、信頼できるハウスメーカーに施工を依頼しましょう。
ヤザワランバーは、東京を中心に「1棟1コンセプト」の家づくりをおこなう住宅会社です。2階にリビングのある住宅も多数手掛けた実績があり、お客様の生活環境やこだわりに合わせた間取りのご提案が可能です。
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