スキップフロアがある平屋のメリットは?間取り例や注意点も紹介
平屋は間取りの自由度が高いことが特徴とされています。理想の間取りを実現するためには、十分な土地の確保が必要ですが、予算の都合などで土地の広さが限られていることもあるでしょう。平屋の延床面積を広げる方法の一つにスキップフロアがあります。
今回はスキップフロアのメリットや注意点、設置した場合の間取り例を紹介します。
スキップフロアとは?
「スキップフロア」とは、一つの空間に数段の階段や段差を設けて作られた新たな階層のことで、「中二階(1.5階)」などと呼ばれることもあります。平屋に設ける場合、片流れ屋根によってできる小屋裏空間を活用するのが一般的です。
スキップフロアは、仕切りや壁を必要としません。そのため、見た目上は一体的な空間として扱われるのが特徴です。
スキップフロアは縦の空間を活用して作られるため、土地の広さを変えることなく生活スペースを確保できます。また設置する場所によっては、平屋が持つ採光や通風などの問題を解消できるでしょう。
■スキップフロアとロフトは何が違う?
スキップフロアと同じような構造をした設備に、ロフトがあります。これらに法律上の明確な定義はないものの、「縦の空間を利用してワンフロアに新たな層を作る」という共通点があります。
一方で、ロフトは天井高さ1.4m以下で設置されるケースが多いため、収納や物置に使用するのが適切です。規定の高さを超えると、延床面積(固定資産税の課税対象面積)に含まれる可能性があるため注意してください。
書斎やキッズスペースなど、日常生活に使える空間を増やしたい場合はスキップフロアの設置が適しているでしょう。
スキップフロアがある平屋のメリット
これまでスキップフロアの魅力について、生活スペースを広げられることを中心に解説しました。実はほかにも様々なメリットがあります。
平屋にスキップフロアを設けると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
■採光性がアップする
平屋には2階がないため、採光の確保に適した高位置の窓がありません。そのため、中央の部屋などは特に日当たりが悪くなりやすい点がデメリットです。
このような問題を解消するのが、スキップフロアです。壁ではなく段差で部屋に緩やかな区切りをつけることで、中央の部屋でも壁に光を遮られることなく、家全体を明るくすることができます。
また採光と同時に、通風も確保できるのがスキップフロアの魅力です。下の階層の窓から入った風がスキップフロアの窓へ吹き抜け、空気の循環がよくなるでしょう。
■収納スペースが増える
スキップフロアは、収納スペースとしても活用できます。使わなくなった子どものおもちゃや、家具など使用頻度の低いものを収納するのに最適です。
スキップフロアを収納スペースにするだけではなく、スキップフロアの設置によって生まれたデッドスペースを収納に活用することもできます。
■空間に開放感が生まれる
平屋は部屋の広さや形状によって、閉塞感を感じやすくなる場合があります。特に、敷地の広さに制限があると、横の空間を大きくして閉塞感を解消することはできません。
このような場合はスキップフロアを設けることで、開放感を出すことができます。また、スキップフロアで空間にメリハリがつくことで、立体感も感じられるようになります。同じ空間でも、スキップフロアの有無によって部屋の印象が大きく変化するでしょう。
■生活空間が広くなる
限られた敷地内で平屋を建てる場合、十分な生活スペースを確保することが難しくなります。2階建てや3階建ての住宅のように、階数を増やすわけにもいきません。
スキップフロアを設置することで、平屋でも土地の大きさを変えることなく生活空間を広げられます。諦めかけていた間取りも、スキップフロアを設けることで実現できる場合があるでしょう。
平屋でスキップフロアを作る際の注意点
平屋でスキップフロアを設けるにあたって、注意点がいくつかあります。住み始めてから後悔しないよう、ポイントを事前に押さえておきましょう。
■経験豊富なハウスメーカーに依頼する
家づくりにおいて最も大切なのは、経験が豊富な工務店や住宅会社に依頼することです。特にスキップフロアは、構造が特殊であったり自治体によって規定が異なったりと様々な制約があります。
スキップフロアを手掛けた経験や実績が豊富かつ、信頼できるハウスメーカーを選びましょう。経験が豊富なプロの視点からアドバイスを受けることが、理想の家づくりをするための近道です。
また住宅会社によって、プランの内容や自由度が異なる点も押さえてほしいポイントです。スキップフロアの設置について強い要望がある場合は、事前によく確認しましょう。
■自治体の規定を事前に調べる
スキップフロアに関する規定は、自治体ごとに定められています。中にはスキップフロアがあることで「2階建ての住宅」とみなされることや、設置自体が認められていない場合があります。
規定にそぐわない設計をしていると、自治体から建築許可をもらえないことがあるため注意が必要です。自治体のルールを事前に調べ、不明な点があれば住宅会社へ相談しましょう。
■老後の生活空間は平屋部分に収める
高齢になると、上下の移動がしにくくなります。設計の段階で将来を見据え、老後の暮らしに必要な生活空間は平屋部分に収めましょう。
スキップフロアはキッズスペースや物置、来客用の宿泊スペースなどに使えば、老後も不自由なく暮らせるでしょう。
スキップフロアがある平屋の間取り例
平屋でスキップフロアを有効活用するには、事前に使い道を考えて設計することが大切です。
間取りのヒントをいくつか紹介しますので、家族構成や生活スタイルに合わせて導入を検討してください。その間取りで実際に生活する様子をイメージすることが、間取りを成功させる秘訣です。
■子ども部屋として活用
子育て世代の方におすすめしたいのが、スキップフロアを子ども部屋(キッズスペース)として活用する間取りです。
平屋は敷地の面積が限られているため、子ども部屋を確保するのは容易ではありません。しかし、それを理由に子ども部屋の設置を諦めると、成長したときに子どもの過ごす場所がなくなってしまいます。成長するにつれて、荷物も徐々に多くなるでしょう。
LDKにスキップフロアを設ければ、家事をしながら子どもの様子を確認できます。家族のコミュニケーションが希薄化する心配もないでしょう。
■書斎やテレワークにも最適
近年、テレワークを導入する企業が増えています。自宅で仕事をするとなれば、集中して作業できる環境が欠かせません。専用の部屋がなく、リビングなどで作業をしていると家族も気を遣うでしょう。
スキップフロアは平屋部分と段差で画されているため、ある程度プライベートな空間として利用できます。一方で作業をしながら、平屋部分の様子も確認できるというメリットを持ち合わせています。声を掛ければ、家族と手軽にコミュニケーションが取れるでしょう。
リモートワーク以外に、読書や趣味を楽しむための書斎として使うのもおすすめです。音や光が気になる場合は、スキップフロアにカーテンを設置することで半個室の空間になるでしょう。
■和室との空間を段差で演出
「和室を設けたいけれど、ほかの部屋とのデザインのバランスや畳の手入れが心配…」このような場合は、思い切ってスキップフロアを和室にするのもおすすめです。
畳のある空間はぬくもりがあり、子育てや来客時に活躍します。またLDKに和室のスキップフロアを設置すれば、食後から寝るまでの時間などに家族がゆったりと過ごせます。
平屋部分との高さがあるため、フローリングのホコリが和室へ広がる心配もありません。手入れが簡単で、掃除の手間も省けるでしょう。
スキップフロアを活用しておしゃれな平屋を手に入れよう
平屋で理想の家づくりをしようと思うと、広い土地が必要になります。スキップフロアを設けて、縦の空間を有効活用しましょう。ただしスキップフロアには、自治体ごとの規定があります。困ったときにすぐ相談できるよう、スキップフロアを手掛けた経験が豊富なハウスメーカーに依頼することが大切です。
住宅会社のヤザワランバーは、東京を中心に「1棟1コンセプト」の家づくりを行っています。これまでにスキップフロアのある平屋も数多く手掛けており、創立48年で培った経験と実績をもとに最適なご提案が可能です。
ただいま「オンライン家づくり相談会」を実施していますので、平屋の建築を検討中の方はぜひ一度ご相談ください。お客様の家族構成や生活環境、ご要望をもとに最適なご提案をいたします。資金計画や土地探しのご相談も承っていますので、家づくりに興味がある方はぜひご参加ください。