憧れのおしゃれな平屋を建てるためのポイントは?注意点とメリット・デメリットも紹介
近年、「平屋住宅」が注目を集めているのをご存知でしょうか?広々としたワンフロアで開放的な暮らしができる平屋は、若い世代から特に人気の住宅様式です。設計の段階で工夫すれば、デザイン性が高いおしゃれな平屋を実現できるでしょう。
今回はおしゃれな平屋を建てるためのポイントを、注意点とともに解説します。平屋の間取りやデザインにお困りの方はぜひ参考にしてください。
平屋とは?
1階建ての家のことを、平屋といいます。比較的単純な構造をしており、これまで色々な用途の建築物に用いられてきた昔ながらの住宅様式です。平屋はすべての部屋や設備がワンフロアにあり、基本的に上下の移動はありません。
2階建ての住宅に比べて間取りの工夫がしやすく、庭を含め自由な設計が可能です。上方向の空間を活かせば、広々とした開放的な家になるでしょう。
また、バリアフリーの家を実現しやすく、幅広い年代の家族が生活できるのも平屋の特徴です。
■平屋のメリット
平屋の一番のメリットは、すべての空間がワンフロアに収まっている点です。階段がないため、小さな子どもや高齢者、ペットがいるご家庭も安心して暮らせます。
重い荷物を運ぶときに、足腰を痛める心配もないでしょう。家族全員が同じフロアで過ごすことにより、密なコミュニケーションが取れるのも平屋の大きな魅力です。
また平屋には、2階建ての住宅に比べて間取りの自由度が高いというメリットもあります。庭を囲んでコの字型やロの字型の家を建てたり、リビングから直接出られるウッドデッキを設置したりと、実現できるアイデアは無限大です。天井を高くしてロフトや天井収納を設ければ、デザイン性と機能性を兼ね備えた家になるでしょう。
■平屋のデメリット
平屋を建てる場合に欠かせないのが、広い敷地です。平屋は、すべての部屋や設備をワンフロアに収めなければなりません。建ぺい率も考慮すると、より広い敷地が必要になるでしょう。建物が大きいと屋根や基礎の面積も広くなるため、建築の坪単価も高額になる可能性があります。
また平屋は、周囲の住宅環境の影響により、日当たりや風通しが悪くなるという難点を抱えています。大半の場合は天窓や中庭を設けることで解消されますが、工事が増えるぶん建築費用がかさんでしまうでしょう。
さらに、家族の距離感の問題も挙げられます。ワンフロアの空間である平屋は個人のプライバシーを確保しにくいため、間取りの工夫が必要不可欠です。
平屋をおしゃれにするポイント
設計の段階で工夫を凝らすことにより、おしゃれな平屋を実現できます。家族の希望や予算と相談しながら、取り入れたい内容を検討しましょう。
■屋根にこだわる
屋根の素材やデザインにこだわることで、おしゃれな外観の平屋になります。
傾斜の角度によって空間の印象を左右できる「片流れ屋根」や、傾斜がなくシンプルな印象を与えられる「陸屋根」など、屋根の種類は様々なものがあります。また「片流れ屋根+切妻屋根」など、2種類の屋根を採用するという選択肢もあります。
この組み合わせであれば、片流れ屋根のダイナミックさと切妻屋根のシンプルさで印象的な外観になるでしょう。また、屋根の素材や色は、外壁とのバランスを見ながら決めることをおすすめします。
一言で「おしゃれ」といっても、このように色々な選択肢があります。屋根のことに限らず、設計の際は「どのような印象の家にしたいか」ということを軸にして検討しましょう。
■外壁をおしゃれにする
外壁の色や質感にもこだわることで、外観がグッとおしゃれになります。
例えば白い外壁であればシンプルな印象、黒やグレーなどの落ち着いた色はシャープな印象を与えるでしょう。質感でいえば、ガルバリウム鋼板などの金属系のサイディングを使用することでスタイリッシュな印象になります。レンガや漆喰、木製のサイディングなどの自然素材を用いれば、温かみのある外観になるでしょう。
外壁は、家の第一印象を決める重要なポイントです。周囲の建物とのバランスを図りながら、最適な色や質感を検討しましょう。
■スキップフロアやロフトで縦の空間を活かす
平屋は横に広い印象が強いかもしれませんが、工夫次第で縦の空間も活かすことが可能です。
例えば片流れ屋根や切妻屋根を採用し、勾配天井を取り入れれば立体感のある空間になります。段差を設けて作られる「スキップフロア」や、部屋の一部を2層式にして上部に空間を設ける「ロフト」をそこに取り入れれば、縦の空間を有効活用できるでしょう。
ちょっとした子どもの遊び場や、書斎などのプライベート空間におすすめです。
■ウッドデッキで庭と室内を繋げる
ウッドデッキには、洗濯物を干したりバーベキューをしたりと幅広い用途が見込めます。ペットを飼っているご家庭であれば、ちょっとしたふれあいの場にもなるでしょう。
ウッドデッキを設ける場合は、庭とリビングが繋がるように設置するのがおすすめです。庭と室内とを自由に行き来できるほか、家族がそれぞれの場所にいてもコミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。
ただし、ウッドデッキを設ける際は周囲の環境に配慮しましょう。家の裏側に設置すればプライベートな空間になりますが、前側に設けると近隣の目に触れやすくなります。また虫や鳥が多いエリアの場合、せっかくウッドデッキを作っても活用できないことがあります。自然環境も把握した上で、最適な位置に設置しましょう。
■天窓や中庭を設け、採光を確保する
平屋は周囲の住宅環境の影響を受けやすく、十分な採光を確保できないと日当たりや風通しが悪くなりがちです。天窓(トップライト)や中庭を設けて、おしゃれで明るい家づくりを行いましょう。
天窓とは内壁の上部や屋根に取り付けられた、手動や電動により開閉できる窓のことです。中には、センサーが設定室温や雨を感知して自動で開閉するものもあります。北向きあるいは、窓が一面にしかない平屋の場合はぜひ導入を検討してください。
また中庭を設置することで、採光の確保や換気がより簡単になります。壁や塀で四方を囲む「ロの字型」の中庭であれば、防犯性が高まるため、時間帯を気にすることなくドアを開放できておすすめです。植物やベンチを設置すれば、おしゃれな空間にもなるでしょう。
■窓やドアにこだわる
平屋はつくりがシンプルであるため、窓やドアのデザインが空間の印象を左右します。
好みの素材やデザインを採用するのが一番ですが、全体のバランスも考慮する必要があります。すべての窓やドアを個性的なデザインにしてしまうと、外観や室内がごちゃごちゃとした印象になるので注意してください。
ショールームなどに行くと、窓やドアを単体で決めることになるケースがほとんどですが、選んだ窓やドアを組み合わせたときに、屋根や外壁、内壁になじむかどうかをイメージしながら検討しましょう。
ご自身で判断できない場合は、ハウスメーカーの担当者など第三者に相談することをおすすめします。
おしゃれな平屋を建てる際の注意点
平屋の設計をする際、デザインばかりに気を取られると機能性を失う場合があります。住み始めてから後悔しないよう、次のポイントを押さえておきましょう。
■防犯対策を工夫する
平屋を建てるときに、忘れてはならないのが防犯対策です。
平屋は2階建ての住宅に比べて家族の出入りや移動がしやすいですが、それは第三者も比較的簡単に侵入できることを意味します。外出の際や夜間に備えて、防犯用のシャッターやセンサーライトを設置しましょう。第三者の侵入に気付けるよう、玄関前に砂利を敷くのも有効な対策です。
ただし防犯対策で外からの視線を完全に遮断すると、第三者が身を潜めやすくなり危険です。防犯対策が過剰にならないよう注意しましょう。
■生活動線を考えて間取りを作る
平屋を住みやすい家にするには、間取りを設計する際に生活動線を考えることが大切です。
生活動線や家事動線をできるだけシンプルにし、動きやすい家づくりに努めましょう。
具体的には玄関からリビングへの移動、キッチンから洗面所などへの移動がしやすい間取りにするのがおすすめです。実際に生活する様子をシミュレーションし、忙しい時間帯に家族がぶつからない間取りを作りましょう。
■プライベート空間を確保する
平屋はワンフロアで家族が密なコミュニケーションを取れる反面、家族それぞれのプライバシーを確保することが困難です。生活音が漏れないよう、必要に応じて防音対策を講じましょう。防音性が高い壁や、壁沿いに壁面収納を設置するのがおすすめです。
また家族一人ひとりのプライバシー確保と併せて、家全体のプライベート空間を守ることも重要なポイントです。平屋は室内の様子が外から見えやすいため、外構を高くしたり植栽を植えるなどの工夫で第三者の目線をシャットアウトしましょう。庭をあえて表側に設置し、道路と住居の距離をとるの方法もおすすめです。
おしゃれな平屋で快適な暮らしを叶えよう
平屋は間取りやデザインの自由度が高く、おしゃれな家を建てたい方におすすめの住宅様式です。
ただしデザイン性だけを追い求めてしまうと、機能性が低い家になってしまうため注意してください。間取りに工夫を凝らしながら、おしゃれさと住みやすさを両立させることが大切です。また平屋は、上下の移動がなく高齢者が住みやすい家でもあります。
バリアフリー構造の平屋を建てれば、リフォームをしなくとも長く住み続けることが可能です。長く住めるおしゃれな家を実現するために、家づくりの実績が豊富な住宅会社に施工を依頼しましょう。
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